Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2018 - Vol.45

Vol.45 No.Supplement

一般ポスター 血管
血管疾患

(S863)

血管合併症回避のためのエコー及び透視ガイド下大腿動静脈穿刺法の有用性

Utility of Both Ultrasound and Fluoroscopy-Guided Femoral Puncture to Avoid Vascular Complication in PCI

山田 雅大, 樋熊 拓未, 富田 泰史, 坂本 知浩

Masahiro YAMADA, Takumi HIGUMA, Hirofumi TOMITA, Tomohiro SAKAMOTO

1済生会熊本病院循環器内科, 2弘前大学循環器腎臓内科

1Cardiology, Saiseikai Kumamoto Hospital, 2Cardiology and Nephrology, Hirosaki University

キーワード :

【背景】
カテーテルインターベンションにおいて大腿動静脈穿刺における血管合併症は致死的なものと成り得る.前施設では2013年6月から穿刺の合併症回避のためエコーガイドとX線透視を併用した穿刺法を開始した.具体的にはまず透視にて大腿骨頭の位置を同定し,エコーにて大腿動静脈の位置関係や分岐位置,分枝血管の走行異常などを観察し,エコーガイド下に前壁穿刺する方法である.
【目的】
この穿刺法の有用性に関して検討する.
【方法】
弘前大学病院におけて2008年から2016年の間に大腿動静脈穿刺を伴う冠動脈インターベンション(PCI)を施行した2199件を対象とし,2013年6月以前の1479件(ガイド前群)と以降の720件(ガイド後群)における血管合併症(巨大血腫,輸血を要する血腫,仮性動脈瘤,高腹膜血腫,動静脈瘻)の頻度を調査し比較検討した.【結果】
両群において患者背景に大きな差はなかったが,血管合併症の頻度はガイド前群で24件(1.6%),ガイド後群で4件(0.6%)と統計学的有意差(p=0.024)をもって減少していた.多変量解析では女性とガイド前(ガイドなし穿刺)が血管合併症を規定する独立因子であった.
【結語】
エコーガイドと透視を併用した大腿動静脈穿刺法は医療安全の観点から推奨されルーティン化されるべきである.