Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.677(2017年)→0.966(2018年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2018 - Vol.45

Vol.45 No.Supplement

一般ポスター 産婦人科
症例 1

(S844)

出生前診断された単純型大動脈縮窄症の一例 — Bi-plane imaging による補助診断

A case of simple coarctation diagnosed antenatally using Bi-pane imaging.

藤部 佑哉, 水内 将人, 明石 祐史, 春日 亜衣, 黒田 敬史, 石岡 伸一, 斎藤 豪

Yuya FUJIBE, Masahito MIZUUCHI, Yushi AKASHI, Ai KASUGA, Takafumi KURODA, Shinichi ISHIOKA, Tsuyoshi SAITO

1札幌医科大学産科・周産期科, 2札幌白石産科婦人科病院産婦人科, 3札幌医科大学小児科

1Dept. of Obstetrics, Sapporo Medical University, 2Dept. of Obstetrics and Gynecology, Sapporo Shiroishi Obstetrics and Gynecology Hospital, 3Dept. of Pediatrics, Sapporo Medical University

キーワード :

【緒言】
大動脈縮窄症は1万出生に4人,先天性心疾患の5-7%を占めるとされている.
胎児診断されなかった症例では,肺血流増加に伴う心不全症状または動脈管の閉鎖に伴うductal shockで発見されるため,出生前の適切な診断に基づく出生後の管理が重要である.四腔断面像の適切な描出と評価が重要であり,Bi-plane imagingとを用いた補助診断を併用し,出生前に診断し得た大動脈縮窄症症例を経験したので報告する.
【症例】
32歳,1経産婦.自然妊娠にて妊娠成立.妊娠初期より前医にて妊娠経過観察をされていた.妊娠29週の妊婦健診時に,胎児四腔断面のアンバランスが疑われ,精査目的に妊娠32週当院紹介初診となった.超音波診断装置は,GE Healthcare社製Voluson E10を使用し,B-mode, カラーDoppler法,Bi-plane imagingを用いて胎児診断を行った.胎児四腔断面で右室径が左室径より大きく,3-vessel viewにて動脈管弓径が大動脈弓径よりも大きく,長軸断面ではShelfを伴う大動脈峡部直後の狭窄所見を認めた.大動脈弓径/動脈管弓径は0.5/1.0=0.50と低値であり,左室横径が右室横径と比較して小さく,四腔断面でのアンバランス所見を認めたが,左室壁や心内膜の高輝度はなく,収縮も保たれていた.以上より単純型大動脈縮窄症と胎児診断し,出生後のNICU管理の方針とした.
妊娠38週6日,自然陣痛発来し2772g男児Apgar Score 8/8にて出生.出生直後の新生児心臓超音波にて 大動脈弓狭窄部位の血流加速および狭窄後拡張所見を認め単純型大動脈縮窄症と診断,以後の新生児治療目的に出生前より予定していた近隣小児医療センターへ新生児搬送となった.出生翌日,大動脈弓再建術を施行され,術後経過良好にて術後27日目に退院,以後外来にてフォロー中である.
【考察】
単純型大動脈縮窄症は左右心室のアンバランスにより四腔断面所見からその可能性を疑うことが可能であるとされる.しかし,適切な四腔断面の描出およびその評価が正診のための第一歩となる.今回の症例では,BモードおよびカラーDoppler法のみにより出生前に診断することが可能であったが,Bi-plane modeを合わせて用いることで,より簡便に狭窄部位の描出が可能であり,補助診断として有用であったと考えられる.
【結語】
大動脈縮窄症は依然出生前診断率が低く,出生前の適切な診断に基づいた出生後の管理が重要である.適切な出生前診断のために,四腔断面の適切な描出・評価が改めて重要であると考えられた.その診断のためにはbi-planeなどの新しい技術が有用である可能性がある.