Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2018 - Vol.45

Vol.45 No.Supplement

一般ポスター 消化器
胆道/膵臓/症例

(S837)

EUSFNAで診断した膵癌術後の残膵に発生した膵癌の一例

EUS-FNA is useful for pancreatic cancer that occurred in remnant pancreas

藤井 雅邦, 藤岡 真一, 塩出 純二

Masakuni FUJII, Shinichi FUJIOKA, Jyunji SHIODE

岡山済生会総合病院内科

Okayama saiseikai general hospital, internal medicine

キーワード :

膵癌は極めて予後不良な疾患であり,早期発見が重要とされている.stageⅠ膵癌切除後の残膵に発生した膵管癌をEUSとEUS-FNAで診断し,膵全摘術を施行した1例を経験したため報告する.症例は80歳代,女性.X年Y月にCA19-9の軽度上昇を契機に膵体部癌が発見され,膵体尾部切除術を施行.Poorly diffrenciated adenocarcinoma,TS1(4.5mm),stageⅠの膵体部癌であった.術後化学療法は計6クール施行された.術直後からCA19-9は正常化していたが,X+1年Y+2月より軽度上昇を認めた.腹部造影CT検査では残膵に明らかな異常所見は認めなかったが,X+1年Y+6月にPETCT検査で膵鉤部に異常集積(SUVMAX6.16)が出現した.MRIでは同部に約13mm大の腫瘤像を認め,EUSでは11mm大の境界不明瞭な低エコー腫瘤として描出された.EUS-FNAを施行しclassⅤ(adenocarcinoma)を認め,膵全摘術を施行した.病理結果はwell diffrenciated adenocarcinoma,TS1(13mm),stageⅢで,初回病理所見と分化度が異なり,残膵に異時性に発生した膵管癌と判断した.膵癌術後の残膵内への局所再発や新発生病変の評価は,術後の変化などの影響もあり困難なケースも多い.EUSとEUS-FNAで早期診断し,根治術を施行することができれば予後改善に寄与するものと考えられた.