Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2018 - Vol.45

Vol.45 No.Supplement

一般ポスター 消化器
胆道/膵臓/症例

(S836)

超音波検査が診断および経過観察に有用であった膵臓サルコイドーシスの一例

A case of pancreatic sarcoidosis

藤本 順平, 小林 久人, 余語 結衣, 井上 恵太, 岩谷 健二郎, 百々 俊樹

Jumpei FUJIMOTO, Hisato KOBAYASHI, Yui YOGO, Keita INOUE, Kenjiro IWAYA, Toshiki DODO

大津赤十字病院放射線診断科

Department of Radiology, Japanese Red Cross Otsu Hospital

キーワード :

【はじめに】
サルコイドーシスは慢性の全身性疾患で様々な臓器に肉芽種を形成する.非特異的な画像所見を呈することもあり,腫瘍や結核といった様々な病気との鑑別が困難であることも多いが,今回超音波検査で膵臓に多発低エコー結節の集簇といった特徴的な画像所見を呈し,16ヶ月の経過観察で病変の消退する経過を追うことのできた膵臓サルコイドーシスの1例を経験したので,文献的考察とともに報告する.
【症例】
70歳代女性.1年前にTBLBで肺サルコイドーシスの診断で,当院呼吸器内科で経過観察をされていた.近医の血液検査で腫瘍マーカー(CA19-9)の高値および造影CTで膵臓に多発する腫瘤を認めたため,当院消化器内科へ精査加療目的で紹介となった.当科の超音波検査では,膵腫瘤は多発する粒状・結節状の低エコーが集合して腫瘤を形成しているような様相がみられたため,既往歴と合わせて膵臓サルコイドーシスを最も疑った.悪性除外目的にEUS-FNAを施行し,病理検査でサルコイドーシスの診断が得られた.経過で膵炎を起こすことはなく,肺病変と合わせて経過観察を行ったところ,肺野の所見は著変はないものの,超音波検査では膵実質の粒状・結節状の低エコー腫瘤は徐々に消退し,16ヶ月経過した超音波検査では膵腫瘤は確認できなくなった.腫瘍マーカー(CA19-9)も下降傾向であったため,合わせて経過観察中である.