芳賀 大生, 松本 直樹, 熊川 まり子, 金子 真大, 渡邊 幸信, 平山 みどり, 三浦 隆生, 中河原 浩史, 小川 眞広, 森山 光彦

Daiki HAGA, Naoki MATSUMOTO, Mariko KUMAGAWA, Masahiro KANEKO, Yukinobu WATANABE, Midori HIRAYAMA, Takao MIURA, Hiroshi NAKAGAWARA, Masahiro OGAWA, Mitsuhiko MORIYAMA

日本大学医学部消化器肝臓内科

Division of Gastroenterology and Hepatology, Department of Medicine, Nihon University School of Medicine

キーワード :

【目的】
Superb Micro-vascular Imaging（SMI）はドプライメージのアーチファクトを軽減し，空間・時間分解能を向上させた技術で，赤血球の動きを追跡することで微小な血管も描出が可能である．胆道気種症は胆管内に多重エコーが描出されることにより診断するが，SMIで観察すると，Bモードとは異なる所見が見られる．臨床例を提示し，再現実験を行ったので報告する．
【症例1】
85歳，女性．胆嚢摘出術後，内視鏡的乳頭切開術，総胆管結石除去後肝外胆管内にガス像が見られた．SMIでは同部位は粒状の高エコー像が集簇したように描出され，ガスの分布が明瞭になった．
【症例2】
89歳，男性．肝内胆管癌のため肝左葉切除後，フォローアップの腹部超音波検査で肝内胆管内にガス像が見られた．SMIでは同部位は多重エコーが強調されて描出された．
【実験】
空気をチューブに入れて水浸して観察すると，Bモードでは不明瞭だったが，SMIでは多重エコーが描出された．また，炭酸水に界面活性剤を混和して振盪し，気泡が含まれた溶液を作成した．Bモードでも気泡は描出されたが，SMIではBモードで描出されない気泡も数多く描出され，高感度であった．
【結論】
SMIは血管だけでなく，条件によっては少量の気体を検出できる可能性が示唆された．