Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2018 - Vol.45

Vol.45 No.Supplement

一般ポスター 循環器
心機能・新技術

(S810)

僧帽弁狭窄症のPTMC治療前後に,VECTOR FLOW MAPPINGを施行し,評価を行った一例

A case of mitral stenosis evaluated with VFM before and after PTMC

青山 琢磨, 小野 大樹, 山田 雄大, 鈴木 圭太, 山浦 誠, 井戸 貴久, 高橋 茂清, 伊藤 葵, 鈴木 敦

Takuma AOYAMA, Daiyu ONO, Takehiro YAMADA, Keita SUZUKI, Makoto YAMAURA, Takahisa IDO, Shigekiyo TAKAHASHI, Aoi ITO, Atsushi SUZUKI

1木沢記念病院循環器病センター循環器内科, 2木沢記念病院生理検査科

1Division of Cardiology, Cardiovascular Center, Kizawa Memorial Hospital, 2Department of Physiology, Kizawa Memorial Hospital

キーワード :

【背景】
僧帽弁狭窄症(MS)に対して経皮静脈的僧帽弁交連術(PTMC)が,適応症例では施行される.通常,コンベンショナルなエコーにての術前後の評価が行われる事が多いが,今回,近年使用可能になった血流可視化技術であるVECTOR FLOW MAPPING(VFM)を用い,PTMC前後のMS症例を評価した.
【症例】
54歳,女性.過去に心疾患は指摘されていなかったが,X年4月,感冒症状にて国外の総合病院受し,僧帽弁狭窄症として同病院より当院へ紹介,精査となった.来院時,心雑音聴取され,心電図は,心房細動,胸部レントゲンでは心拡大,軽度の肺うっ血所見を認めた.経胸壁心エコーにて,僧帽弁の著明な可動制限,左房拡大,TR-PG上昇を認め,Willkins score 8点であった.左心耳内血栓が疑われたため,ワルファリン導入し,PTMCは待機的施行とした.X年10月,28mmの井上バルーンにてPTMC施行した.PTMC前後は,僧帽弁口面積は,心エコーにて,0.7cm2から,1.6cm2に,LA-LV mPGは,18.1mmHgから,5.3mmHgに,TR-PGは,61mmHgから40mmHgに改善した.VFMにて,左室拡張期の血流を観察すると,PTMC前(図A)は,左室流入血流から生じる複数のclockwise及びcounterclockwiseの速い渦流が観察されたが,PTMC後(図B)は,それらが消失した.3CVのEnergy Lossに関しても,PTMC前に比して,後は減少した.
【考察・結語】
VFMは,近年使用開始された心エコーを用いた新しい評価方法として期待されている.現時点では,健常人での検討報告が中心ではあるが,各種疾患に関しての評価がなされつつある.今回,我々は,重症MSに対して,PTMCを施行し,その前後でコンベンショナルエコーに加え,VFMにて,その治療効果を評価,検討した.今後,VFMの特徴を踏まえ,各種心疾患での応用が期待される.