Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2018 - Vol.45

Vol.45 No.Supplement

一般ポスター 循環器
心機能・新技術

(S808)

高血圧患者におけるアルコール摂取量の臓器障害に及ぼす影響 –超音波を用いた評価-

Influence of alcohol consumption on organ damage in hypertensive patients: assessment using ultrasonography

寺川 宏樹, 大下 千景, 藤井 雄一, 上田 智広, 神田 萌子, 本田 秋奈, 中村 友美, 小田 康子, 河村 道徳

Hiroki TERAGAWA, Chikage OSHITA, Yuichi FUJII, Tomohiro UEDA, Moeko KANDA, Akina HONDA, Tomomi NAKAMURA, Yasuko ODA, Michinori KAWAMURA

1JR広島病院循環器内科, 2JR広島病院臨床検査科

1Department of Cardiovascular Medicine, JR Hiroshima Hospital, 2Department of Clinical Examination, JR Hiroshima Hospital

キーワード :

【目的】
アルコール摂取量の増大は高血圧に関与しているとされている.アルコール摂取量が高血圧患者の臓器障害にどのように影響を及ぼしているか多くは検討されていない.今回われわれは超音波指標の左室重量係数(LVMI)および頚動脈内膜中膜複合体径(IMT)に及ぼす影響について検討した.
【対象】
当院外来に通院中の高血圧患者155例(平均年齢68歳,男性98例)を対象とした.
【方法】
各患者にアルコール摂取の有無,頻度,種類について詳しく問診を行い,1日平均アルコール摂取量を推定した.アルコール摂取の有無および1日平均アルコール摂取量より,飲酒なし(Group N, n = 96),軽度飲酒(0-25ml/day, Group L, n = 18), 中等度飲酒(25-50ml, Group M, n = 22), 多量飲酒(≧50ml, Group H, n = 19)の3群に分類した.各患者に,心エコー法および頚動脈エコー法を用いて,それぞれLVMI(g/m2)およびmean IMT(mm)を算出し,4群で比較検討した.LVMIは,Devereux and Reichekの公式および体表面積より算出した.Mean IMTは,左右総頚動脈膨大部より10mm中枢側の3点を計測し,平均値を算出した.
【結果】
性差および喫煙の頻度は4群で有意差を認めた.LVMIは,Group H(114±6 g/m2)およびGroup M(107±6 g/m2)が他の2群(Group L: 91±6 g/m2, Group N: 96 ± 3 g/m2,p < 0.05).mean IMTはGroup H(0.99±0.05mm)が他の3群(Group N: 0.81±0.02mm, Group L: 0.84±0.05mm, Group M: 0.85±0.05mm, p < 0.05)より有意に大であった.
【結論】
単施設の横断的研究ではあるが,頚動脈エコー法および心エコー法にて評価した高血圧の臓器障害は,アルコール摂取量が中等度以上で有意な影響を及ぼす可能性が示唆された.