Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.677(2017年)→0.966(2018年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2018 - Vol.45

Vol.45 No.Supplement

一般ポスター 基礎
超音波計測一般

(S791)

搬送波周波数の異なる複数の送受信に基づく超解像イメージングに関する検討

A Study on Super Resolution Imaging Based on Multiple Transmission and Reception with Different Carrier Frequencies

ZHU Jing, 田川 憲男, 吉澤 昌純, 入江 喬介

Jing ZHU, Norio TAGAWA, Masasumi YOSHIZAWA, Takasuke IRIE

1首都大学東京大学院システムデザイン研究科, 2東京都立産業技術高等専門学校ものづくり工学科, 3マイクロソニック株式会社技術開発部

1Graduate School of System Design, Tokyo Metropolitan University, 2Monozukuri Department, Tokyo Metropolitan College of Industrial Technology, 3Research and Development, Microsonic Co., Ltd.

キーワード :

【目的】
我々は,実時間かつ低侵襲な悪性腫瘍の確定診断を目的とし,穿刺型超音波顕微鏡の検討を進めている.超音波によって光学顕微鏡と同等の分解能を得るには,100MHz帯の送受信が必要であり,より低い周波数帯で同等の解像度が実現されれば,深部の画像化に有利である.そこで,通常の超音波画像の分解能が送信パルス幅で定義されるのに対して,搬送波波長レベルの分解能の実現を検討する.
【方法】
まず,高SNRのために,チャープ信号を用いるパルス圧縮法の利用を前提とする.パルス圧縮後のエコーの解析信号(I成分とQ成分の複素信号)には,散乱体の位置τiは指数jω0τiとして現れる.ここで,ω0は搬送波周波数である.したがって,周波数を変化させることにより,I, Q成分の位相関係が変化し,波長レベルの散乱体分離が期待できる.我々はこの原理に基づき,SCM(Super resolution FM-Chirp correlation Method)と呼ぶフォーカスビームを用いる超解像手法を提案し1),さらにそれをSynthetic Aperture(SA)方式に拡張したSA-SCMを提案した2).SA-SCMでは,遅延加算処理(DAS)による受信ビームフォーミングを行った後,ラインごとにSCMを適用する.一方で,各振動子のエコーに対してSCMを施し,その結果を重みとしてDASを実行することもでき,これをSCM-weighted SAと呼ぶ.
【結果】
実験には,マイクロソニック社RSYS0003(64素子)を用いた.直径1.5mmのビニール被覆付き金属線をターゲットとした結果を図に示す.中心周波数の基準値は7.5MHzであり,この前後3MHzで周波数を変えて,15回の送受信を行った.結果より,DASに比較して,SA-SCMとSCM-weighted SAは距離・方位双方の分解能向上がわかる.しかし,SA-SCMでは,ターゲット周囲に多数のアーチファクトがある.これは高周波数送受の際のグレーティングローブ(GR)の影響であることを確認している.
【考察と結論】
SCM-weighted SAはGRに強いことが確認できた.SA-SCMでGRを避けるためには,周波数変化幅を減らす必要があり,これは分解能低下を引き起こす.一方,SCM-weighted SAは,複数送信を同一位置から行う必要があるのに対し,SA-SCMは任意の位置からの送信が可能であるため,ターゲット情報獲得の面ではSA-SCMが有利である.今後,これらの特性を定量的に評価し,改良を進める.
【参考文献】
1)M. Fujiwara et al. IEEE IUS. 2009;2390-2393.
2)T. Wada et al. Physics Procedia. 2015; 70,1216-1220.