Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.677(2017年)→0.966(2018年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2018 - Vol.45

Vol.45 No.Supplement

一般ポスター 基礎
超音波計測一般

(S790)

超音波組織変位計測における新しい位相マッチング法

New phase matching method on ultrasonic tissue displacement measurement

炭 親良

Chikayoshi SUMI

上智大学理工学部情報理工学科

Dept of Info & Commun Sci, Sophia University

キーワード :

【目的】
超音波位相マッチングは組織変位や歪の計測を可能にした.また,観測精度を高精度化すべく,高フレームレートを実現するフォーカス無しの波動送信を用いることを提案し(IEEE Ultrason Symp, 2007),数種類の変位ベクトル計測法や横方向変調,スペクトル周波数分割法も開発した.また,観測組織の大変位や大変形や制御不能な自発的組織変位により超音波信号が欠落する場合や,加熱治療等による超音波特性が経時的に変化する場合には,観測精度が低下するため,最適化処理も行っている.本稿では最適化処理に適した新しい位相マッチング法を報告する.
【対象と方法】
これまでと同じく,関心点又は局所の信号の位置を含む探索領域を次フレームに設定して位相の合う信号を探索するが,元の方法は変位のcoarseな推定結果で決まる候補の信号との位相差を用いて表されるドプラ方程式を解いて更新すべきfineな変位を求めて更新するものであったが,新しい方法では同位相差にcoarseな推定結果に超音波周波数を掛けて表される位相変化分を加えた位相の差を用いて表されるドプラ方程式を解いて直接にターゲットの変位を求める.これより,更新すべき変位では無くターゲットの変位そのものに関する最適化が可能になる.ずり弾性率が周囲に対して約3.28倍高い直径10mmの円柱領域が深さx=19mmの位置に存在する寒天ファントムに対し,横y方向に圧迫を加えた.リニアアレイ型探触子(7.5MHz)を用いて偏向角度が±20度の交差フォーカスビームを用いた横方向変調を実現し,2次元の自己相関法とクロススペクトル位相勾配法を用いた.さらに,自己相関法においては±30度と±40度の偏向ビームを用いたover-determinedシステムにおいて最尤推定を実施した.
【結果と考察】
図1に,横方向変調時に2次元自己相関法と2次元クロススペクトル位相勾配法を用いて観測された変位ベクトル成分と歪テンソル成分と2次元ずり弾性率再構成の結果を示す.写真中には円柱領域で推定された平均値とばらつきを示す.略同じ精度を得た.また,over-determinedシステムにおいては,変位ベクトルの大きさと角度のSN比が,単なる最小二乗法による結果の82.0と161から,最尤推定の結果として,各々,83.0と167に向上した.
【結論】
新しい位相マッチングは有効であった.実のところスペクトル周波数分割においても有効であった(略).今後には正則化やMAP推定等の他の最適化の有効性を報告して行く.