西村 はるみ, 王子 史恵, 川島 博子, 松本 直樹, 小川 眞広

Harumi NISHIMURA, Fumie OJI, Hiroko KAWASHIMA, Naoki MATSUMOTO, Masahiro OGAWA

¹JA長野厚生連北アルプス医療センターあづみ病院診療放射線科, ²金沢大学大学院医薬保健学総合研究科, ³日本大学医学部消化器肝臓内科

¹Department of Radiology, Azumi Hospital, ²School of Health Sciences, College of Medical, Pharmaceutical and Health Sciences, Kanazawa University, ³School of Medicine, Nihon University

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【はじめに】
腹部超音波検診において脂肪肝の所見は多く見かけるが，その判断において検者の主観に左右されるため客観性に問題がある．画像解析ソフトを用いて脂肪肝の測定と評価を試み第29回関東甲信越地方会学術集会にて報告した．今回，症例数を増やし再検討を行ったので報告する．
【対象と方法】
対象は当院人間ドックを受診し腹部超音波検査（以下US）にて脂肪肝の所見を得た50名から，さらに症例数を増やした50＋α名．「腹部超音波検診判定マニュアル」における超音波画像所見（高輝度肝・肝腎コントラスト・脈管不明瞭化・深部減衰のいずれかを認める）を認めるものを脂肪肝の診断とした．画像解析ソフトImageJを用いて撮影したUS画像の肝臓，腎臓，脾臓の各数値，肝腎（L/K）比，肝脾（L/S）比について測定した．なお対象の受診者〇名は低線量CT（肺がんCT検診）も撮影されており撮影範囲内における肝臓，腎臓，脾臓からL/K比，L/S比を測定した．
【結果】
肝臓の輝度，L/S比について，いずれもエコー輝度とCT値で相関がみられた．L/K比については相関がみられなかった．
【結語】
L/S比において相関がみられたことから従来の肝腎コントラストに肝脾コントラストを加えることで脂肪肝を効率よく検出可能と思われ，超音波Bモードにおいても肝臓の脂肪化の定量化の可能性が示唆された．