Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2018 - Vol.45

Vol.45 No.Supplement

一般口演 その他
眼科その他

(S778)

フォークト-小柳-原田病の超音波所見(第3報) 前部脈絡膜剥離について

Ultrasonographic features of Vogt-Koyanagi-Harada disease(The 3rd report)-Anterior choroidal detachment-

柊山 剰, 澤田 惇, 坂本 夏子, 大久保 陽子, 日高 貴子, 中馬 秀樹, 直井 信久

Jo FUKIYAMA, Atsushi SAWADA, Natsuko SAKAMOTO, Youko OOKUBO, Takako HIDAKA, Hideki CHUMAN, Nobuhisa NAO-I

1柊山医院眼科, 2宮崎大学医学部眼科

1Ophthalmology, Fukiyama Eye & ENT clinic, 2Ophthalmology, Miyazaki university, Faculty of Medicine

キーワード :

【背景】
我々は,フォークト-小柳-原田病の超音波所見について,第24回九州地方会(第1報)および第90回全国学術集会(第2報)において,網膜の変化を報告したが,今回は脈絡膜の変化について述べる.脈絡膜は網膜と異なり,直接的には観察しづらいために,超音波検査が有用になる.
【症例と検査結果】
症例は54歳の女性と53歳の男性.諸検査で典型的な後極部の漿液性網膜剥離と著明な脈絡膜肥厚を認めた.超音波B-モード検査では直接法のみならず水浸法も施行,さらに超音波生体顕微鏡UBM(Ultrasound biomicroscopy)検査も施行したところ,後極部の著明な脈絡膜肥厚のほか,前部脈絡膜の剥離(毛様体剥離も含む)を認めた.
【経過】
両症例とも点滴によるステロイドパルス療法に続き内服の漸減療法を行った後,次第に症状は改善し最終的に治癒した.
【結論】
フォークト-小柳-原田病において,後極部の変化は眼底,血管造影や光干渉断層計OCT(Optical Coherence tomography)検査によりその詳細が報告されて来ているが,赤道部から前部領域の変化は,それらの検査では捉えにくいため,我々は今回,UBMとBモードの水浸法を用いて検査したところ前部脈絡膜の剥離を見いだせた.