Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2018 - Vol.45

Vol.45 No.Supplement

一般口演 その他
その他

(S777)

超音波検査の存在意義を更に上げる為に,超音波検査にマネジメントを(第9報)

The management of medical ultrasonics for patients

島ノ江 信芳

Nobuyoshi SHIMANOE

株式会社コ・メディカル

CEO, CO-MEDICAL Co,.Ltd

キーワード :

【はじめに】
超音波大好き人間の一人として,超音波検査が患者やチーム医療の質と効率向上へ更に貢献する為のシステム創りを,11年間研究している.ピーター・F・ドラッカーのマネジメントをベースに,超音波マネジメントとして,本学会へは,過去8回発表してきた.この超音波マネジメントは,4年前の本学術集会のパネルディカッションや,昨年の日本超音波検査学会での「ソノグラファーの存在意義を更に上げる為に,今日から出来る事」のセッションで,討議して頂いた.これらの討論などではっきりしたことは,残念ながら,超音波検査に携わる医師・ソノグラファー(チーム超音波)の努力が十分に報われていないケースが多いことである.
【目的】
超音波検査が他科の医師に,どうすれば今以上に信用信頼される事が出来るかを,超音波マネジメントの視点で提案する.
【方法】
他科の医師との信頼関係を強める為には,治療に役立つ正確な画像情報の提供と個人的な信頼関係の構築が,必要である.
① 治療に役立つ画像情報の提供の為に
感度100%特異度100%の画像診断装置は無い.お使いの超音波装置の性能機能を十分に発揮させて,他のモダリティーとの差別化を計るには,超音波検査の強みと限界をいつも確認することが重要です.例えば消化器領域では,肝臓のがんで5年生存率が大きく違う1cmでの手術かそれ以上の大きさで手術かに対して,通常のCTよりも超音波の検出能力が高い.このような超音波が強い症例を確認し,その情報を正確に伝えていく.それにはまず,最終確定診断と超音波検査のチェックシステムを,しっかりと機能させることです.また,超音波検査が間違った場合の原因の確認と対策を行い情報を共有して,次に備えていく.チーム超音波内での教育については,本学会の専門医研修カリキュラムなどをベースに必要な知識と技術を標準化し,スタッフ2人のペアで教えあう.また,治療に貢献する新しい診断方法を貪欲に学ぶ体制を作る.更に,院内の他のモダリティーの強みと限界も学んで,トータル画像診断マネジメントの中での超音波の存在意義を高める為にどうすれば良いかを日々検討実行していく.PLAN DO CHECK ACTION のサイクルを早く回して,カイゼンを繰り返していくことです.
また,超音波検査が正確で安全・快適に行える超音波検査室の環境改善も重要である.本学会では,谷口信行先生のご研究があるように,モニターの画像が見えやすい照明環境や,検者と超音波装置・患者との位置関係などの確認・改善が重要である.また,暖かい電動エコー専用ベッドや,清潔なベッドシーツや枕カバーも取り入れるべきです.
②個人的な信頼関係の構築のために
まずは,どのような治療が行われているか,その治療の為にはどのような情報を伝えれば良いのかを,他科の医師に日々確認する.その上で,超音波検査の感度特異度を上げ,超音波の限界を理解してもらう.また,新しい診断法を紹介し,その現状を伝える.
【結語】
今後も,超音波検査が医師に信頼され,チーム超音波のメンバーがもっと楽しく誇りを持って超音波検査が出来るシステム創りを続けていく.