Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2018 - Vol.45

Vol.45 No.Supplement

一般口演 血管
静脈疾患

(S762)

下肢静脈瘤高周波焼灼術後の血管退縮率と関連因子の検討

Examination of vascular retraction rate and related factors after radiofrequency ablation (RFA) of lower limb varicose veins

茨木 康彦, 稲葉 雅史

Yasuhiko IBARAGI, Masashi INABA

1医療法人元生会森山病院検査部, 2医療法人元生会森山病院外科

1department, clinical laboratory, 2department, surgery

キーワード :

【緒言】
2015年11月から70例あまりに高周波焼灼術(RFA)を施行し良好な成績が示されているが,焼灼後の静脈の変化が一様であるかどうかの質的変化の報告は少ない.
【目的】
RFA治療後の血管の形態および性状の特徴とその変化をエコーにて経時的に観察し,これらに与える要因について検討した.
【対象】
同期間に当院で大伏在静脈(GSV)にRFA治療行った症例のうち術前から術後最長6か月の間,経時的にエコーによる経過観 察が可能であった40例48肢.
【方法】
RFAにはコヴィディエン社製ClosureRFGジェネレーターおよびカテーテルを使用した.術後1週間以内,1か月,3か月,6か月で 大腿部3領域での径が一様な部位でGSVの口径を計測し,術前値からの変化を観察し,血管径の比(退縮率)を各期間毎に算出し退 縮状況をエコー(GE社製VividE9)下に観察した.血管内腔のエコー画像変化は完全閉鎖(CO群),低エコー成分はあるが液状成分なし(PO群)および液状成分あり(PL群)の3群に分類した.また,術前の径と6か月後の血管径の比(最大退縮率)を求め,こ れに影響し得る各種要因について検討した.
【結果】
GSV径は全症例の検討から1週間以内に42%退縮し,6か月後には60%に減少した.退縮率では,術後1週間から3か月間の変 化は5%以下と低値であったが3か月以降有意に上昇(平均26%)した(p<0.05).最大短縮率はCO群ではPO,PL群に比較し有意に高値であった(p<0.05).
【結論】
RFA治療後の自覚症状改善は良好で,術後3か月以降に組織学的に完了するものと考える.しかし,術後の退縮形態は必ずしも一様ではないことが示されたことから,さらに長期の経過観察の必要がある.