Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2018 - Vol.45

Vol.45 No.Supplement

一般口演 腎泌尿
腎泌尿

(S758)

陰茎超音波検査の検討

Evaluation of penile ultrasound

河本 敦夫, 吉田 勝衞, 高橋 友紀, 石引 いずみ, 植草 こずえ

Atsuo KAWAMOTO, Katsumori YOSHIDA, Yuki TAKAHASHI, Izumi ISHIBIKI, Kozue UEKUSA

東京医科大学病院画像診断部外来エコーセンター

Department of Diagnostic Imaging, Outpatient Ultrasonography Center, Tokyo Medical University Hospital

キーワード :

【目的】
陰茎部は同じ男性外性器である陰嚢と比べると超音波検査の機会は少なく馴染みは薄い.従来,陰茎部病変の臨床診断は視診や触診などでなされてきた.近年,浅部での画質向上,リアルタイムに血流情報が得られる事より陰茎部を対象とする検査依頼も増加しつつある.今回,当施設における陰茎部を目的とした超音波検査(US)について検討した.
【方法】
対象は2013年1月から2017年12月の5年間に陰茎を主な対象としてUSが施行された22例.年齢は2歳から81歳(平均年齢43.1歳).機器は据置型フルデジタル装置(東芝Aplio XV,XG,GE LOGIQ E9),探触子は9MHz以上の高周波リニア型(PLT805AT,PLT1204AT,11L,ML6-15)を使用した.撮像法はティッシュハーモニックイメージで行った.検討項目は依頼科,主訴,超音波所見,そして臨床診断を後方視的に評価した.
【結果】
依頼科は泌尿器科13例(59%),皮膚科7例(32%),小児科2例(9%)であった.主訴は腫瘤9例(40%),硬結7例(32%),外傷2例(9%),血行異常2例(9%),疼痛1例(5%),形成異常1例(5%)であった.臨床診断は陰茎癌1例,粉瘤5例,血腫2例,モンドール病1例,縫線嚢胞1例,尿道球腺嚢胞1例,肉芽腫1例,Peyronie病5例,持続勃起1例,陰茎虚血1例,陰茎低形成1例であった.
【考案】
陰茎部USは,腫瘤,硬結,外傷,血行異常,奇形・低形成などさまざま主訴が検査対象となっていた.陰茎癌局所診断においてはMRI T2強調像が有用との報告があるが(AK Singh, et al. Radiographics, 2005),ファーストチョイスのモダリティとはいえない.USのアドバンテージであるカラードプラによる血流情報を含めて,陰茎病変にUSを積極的に活用する必要がある.