Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2018 - Vol.45

Vol.45 No.Supplement

一般口演 甲状腺
甲状腺

(S749)

甲状腺超音波検査において判明した自己免疫性唾液腺炎の検討

Patients with autoimmune sialadenitis detected by ultrasonography during thyroid scan

小川 絢女, 福原 隆宏, 松田 枝里子, 堂西 亮平, 竹内 裕美, 広岡 保明

Ayame OGAWA, Takahiro FUKUHARA, Eriko MATSUDA, Ryohei DOUNISHI, Hiromi TAKEUCHI, Yasuaki HIROOKA

1鳥取大学大学院医学系研究科保健学専攻, 2鳥取大学医学部感覚運動医学講座耳鼻咽喉・頭頸部外科分野, 3鳥取大学医学部保健学科病態検査学講座

1Graduate School of Medical Sciences, Tottori University, 2Department of Otolaryngology, Head and Neck Surgery, Tottori University Faculty of Medicine, 3Department of Pathobiological Science and Technology, Tottori University Faculty of Medicine

キーワード :

【目的】
日常臨床の頸部超音波検査において,われわれは頸部を広範にスキャンするようにしている.このため,甲状腺疾患の超音波検査において,検査中に唾液腺の異常を偶発的に捉えることがしばしばある.唾液腺の疾患の中でもシェーングレン症候群やIgG4関連唾液腺炎といった自己免疫性唾液腺炎は,近年判明してきた疾患でもあり,臨床症状を伴っていない症例がどれほどあるかは不明である.
そこで,この度われわれは,甲状腺疾患の精査目的で超音波検査を施行した患者を対象として,超音波検査から自己免疫性唾液腺炎を疑い,最終的に診断した症例について調査した.
【対象と方法】
2017年1月から2017年12月までに,甲状腺疾患の精査および経過観察目的で,頭頸部超音波検査を施行した患者を対象とした.耳下腺および顎下腺の超音波画像に異常所見を認めた患者のうち,最終的に自己免疫性唾液腺炎と診断した患者を調査した.
【結果】
超音波検査にて唾液腺の異常が認められ,最終的に自己免疫性唾液腺炎と診断された症例は4例であった.その4例中3例はシェーングレン症候群であり,残り1例はIgG4関連唾液腺炎であった.シェーングレン症候群と診断された症例の超音波画像の特徴は,唾液腺の萎縮と内部不均質,そして血流の亢進が認められた.IgG4関連唾液腺炎では,顎下腺の腫大と低輝度な実質,血流の亢進,そして内部不均質な画像所見が認められた.
【結論】
甲状腺の超音波検査において,唾液腺も同時に評価すると,自己免疫性唾液腺炎と診断される症例が一定数ある可能性が明らかとなった.