Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.677(2017年)→0.966(2018年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2018 - Vol.45

Vol.45 No.Supplement

一般口演 乳腺
乳腺 3

(S741)

乳腺生検マーカーHydroMARK®の当院での使用経験

Clinical Experience Using a Breast Biopsy Site Marker (HydroMARK®)

吉川 勝広, 石塚 まりこ, 千葉 創, 末岡 憲子, 山本 大悟

Katsuhiro YOSHIKAWA, Mariko ISHIDUKA, Tsukuru CHIBA, Noriko SUEOKA, Daigo YAMAMOTO

関西医科大学総合医療センター乳腺外科

Breast Surgery, Kansai Medical University Medical Center

キーワード :

【緒言】
マンモグラフィー検査において石灰化病変は乳癌を示唆する重要所見の一つである.多くは腫瘤などの超音波(US)でも検出可能な所見を伴うが,10-20%は石灰化のみを所見とし,その場合には確定診断のためにステレオガイド下吸引式乳房生検(ST-VAB)が必要となる.しかし,生検後に手術が必要となった場合,USでは病変の同定が難しく,生検による血腫を代替指標として切除範囲を決定せざるをえない.そのため,断端陰性を担保するためには広めにマージンを取る必要があった.そこで,当院ではST-VABを施行した症例に,超音波で描出可能なHydroMARK(Devicor Medical Products,Inc.,OH,USA)を留置し,小規模切除手術を試みている.今回,HydroMARKを留置した症例について,その使用経験を検討したので報告する.
【方法】
2017年8月から2017年12月まで,48乳房にST-VABを施行した.内,39例に11ゲージ針を用いて生検を施行し,その後HydroMARKを留置した(検査体位;仰臥位38例,座位1例).14ゲージ針を用いた3例と,11ゲージ針を用いたがシリコンバッグ豊胸術後の4症例,留置を拒否された2例に対しては留置を行わなかった.
【結果】
生検による合併症は無かった.石灰化病変の形態・分布は微小円形集簇が39例,淡く不明瞭な集簇が3例,多型集簇が6例であった.病理結果は悪性が9例,良性が39例であった.10例は1週間後に超音波検査を施行し,いずれも正確に描出来た.10例中9例は生検位置に正確に留置されていたが,座位で施行した1例では生検位置とHydroMARKの留置位置に齟齬が総じていた.留置後1ヶ月後にUSを施行出来た症例は2例で,いずれも正確に描出でき,また位置異常も無かった.留置後,当院で手術を施行した患者は4例(全摘3例,切除生検1例)であった.全摘切除標本において全例で腫瘍部位とHydroMARKの位置が一致していた.切除生検においてHydroMARKを中心として切除し,小規模切除で問題なく確定診断を得た.4例おいてHydroMARK留置後に乳腺MRIを撮影したが,マーカーの発熱や位置変化は認めなかった.HydroMARK留置に伴う合併症は認めなかったが,皮膚直下を生検した1例で,止血確認の乳房圧迫によって,ゲル化したHydroMARKが創部より脱出してしまったためHydroMARKを除去した.
【結論】
HydroMARKは視認性が良好であり,手術の質向上に寄与しうると考えられた.短期間の検討では有るが,HydroMARK留置による合併症リスクの上昇は認めておらず,MRIも安全に施行可能であり,安全に運用可能と考えられた.しかし,座位検査でのHydroMARKの留置位置異常の可能性や,皮膚直下留置の際のHydroMARK脱出など,留置に適さない症例もあり得るため,適応症例は慎重に検討する必要が有ると考えられた.