Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2018 - Vol.45

Vol.45 No.Supplement

一般口演 乳腺
乳腺 2

(S738)

乳頭部超音波検査における円筒状リングを用いた撮像の工夫と乳頭内腫瘤エコー像

Improvement of nipple imaging using a cylindrical ring in breast ultrasonography and an example image of the nipple tumor by this method

中谷 守一

Shuichi NAKATANI

南大阪病院乳腺外科

Breast Surgery, Minami Osaka General Hospital

キーワード :

乳房視触診検査において乳頭内に硬結を触知することや乳頭内腫瘤を確認することは稀である.しかしそのような際に簡便な検査として乳房超音波検査が適応される機会は多くまた有用である.しかし乳頭に探触子を適切に接触させることは困難で良質な画像を描出することは容易ではない.そこでわれわれは乳頭画像描出の改善を企図して以下のように工夫しているので報告する.われわれは乳頭周囲に超音波検査用ゼリーを貯めるために粘着テープを用いて乳頭の高さくらいの円筒状リング作成し用いている.円筒状リングを乳輪部皮膚に粘着固定しその中心に乳頭が位置するようにする.そして乳頭を浸漬するように超音波ゼリーを満たしリング上に超音波探触子をおいて超音波検査を実施する.これにより倒れやすい乳頭でも比較的良質な乳頭超音波検査画像が得られるほかリングは探触子の圧迫により容易に変形するため探触子圧迫圧の調整が容易でドプラ検査も可能となる.例として乳頭内部に硬結を触知し,本法を用いて観察した乳頭内小腫瘤像の画像を供覧する.
乳頭内部に縦長の楕円形小腫瘤像がありドプラ血流は豊富で腫瘤像周囲ならびに内部にみられた.病理診断は乳頭部腺腫であった.