Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.677(2017年)→0.966(2018年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2018 - Vol.45

Vol.45 No.Supplement

一般口演 乳腺
乳腺 1

(S738)

超音波検査で低エコー域として指摘された浸潤性乳癌の検討

Some cases of invasive ductal carcinoma presented hypoechoic area by ultrasonography.

原 由起子, 櫻井 健一, 渡邉 美帆, 禹 有佳里, 後藤 洋伯, 山室 みのり, 松本 京子, 和賀 瑛子, 平野 智寛, 榎本 克久

Yukiko HARA, Kenichi SAKURAI, Miho WATANABE, Yukari U, Hironori GOTOU, Minori YAMAMURO, Kyoko MATSUMOTO, Eiko WAGA, Tomohiro HIRANO, Katsuhisa ENOMOTO

日本大学医学部乳腺内分泌外科

breast and neuroendocrine surgery, nihon university of medicine

キーワード :

 乳房超音波検査において,乳腺内の局所性または区域性に存在する低エコー域は非浸潤癌を疑う所見である.しかし,超音波で腫瘤性病変を呈さず,非腫瘤性病変として認識されるが,浸潤癌と診断される場合も少なくない.当院で過去4年間に行った乳癌手術症例の中で,術前超音波で低エコー域として指摘されていた42例のうち,術後の病理組織学的検査で浸潤癌と診断された14例について検討した.
 術後の病理組織学的検査では,23例(54.8%)が非浸潤癌(Tis),5例(11.9%)が微小浸潤癌(T1mi),14例(33.3%)が浸潤癌(T1以上)であった.浸潤癌の組織型は乳頭選管癌が10例と大部分を占めており,硬癌が3例,微小乳頭癌が1例であった.術後のステージはT1aが5例,T1bが5例,T1cが4例であった.超音波で指摘された病変の大きさの平均は15.8±13.3mmであり,病理組織学的浸潤径の平均は9.8±5.4mmで乖離を認め,多くの症例で広範な乳管内病変を伴っているものも7例あり,低エコーいきの大部分が乳管内病変を反映していると思われる症例も多かった.しかし,7例では浸潤径の大きさと低エコー域との大きさの差が5mm以内であり,浸潤部を低エコー域としてとらえている病変も少なくなかった.超音波の所見では,斑状の低エコー域が1例,地図状の低エコー域が3例,境界不明瞭な低エコー域が10例であった.バスキュラリティーの増加は11例で認められ,低エコー域の大部分が浸潤部を反映していた症例ではすべてにバスキュラリティーの増加を認めた.また点状高エコー所見は,10例で認められた.またエラストグラフィー検査ではつくばスコアでスコア2と判定したものが2例,スコア3が8例,スコア4が4例であった.低エコー域が浸潤部を反映していたものではすべてスコア3~4を呈していた.
 術前に低エコー域として認められた乳癌のうち,そのほとんどが浸潤部である症例は,バスキュラリティーの増加を伴い,エラストグラフィーで比較的固く表示される症例が多かった.