Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2018 - Vol.45

Vol.45 No.Supplement

一般口演 産婦人科
胎児血流

(S730)

胎児発育不全(FGR)での分娩管理におけるCPR(Cerebroplacental ratio)の評価意義

Association of CPR evaluation and non-reassuring fetal status in growth restricted fetuses

生野 寿史, 田村 亮, 五日市 美奈, 山口 雅幸, 高桑 好一, 榎本 隆之

Kazufumi HAINO, Ryo TAMURA, Mina ITSUKAICHI, Masayuki YAMAGUCHI, Koichi TAKAKUWA, Takayuki ENOMOTO

新潟大学医歯学総合病院産婦人科

Obstetrics and Gynecology, Niigata University Medical and Dental Hospital

キーワード :

【目的】
FGRにおけるCPRと胎児機能不全(Non-reassuring fetal status; NRFS)との関連について検討することを目的とした.
【方法】
2009年1月から2017年12月までの期間において,妊娠26週以降に分娩となったFGR(-1.5SD; JSUM)かつSmall for gestational age児を対象とした.NRFS診断は,胎児心拍陣痛図あるいはBiophysical Profile Scoreを用いて行い,NRFS適応での緊急帝王切開とCPRの関連について診療録およびデータベースより後方視的に検討を行った.CPRは,分娩前1週以内の中大脳動脈抵抗指数(RI)と臍帯動脈RIより算出した.胎児形態疾患,染色体疾患,骨盤位・既往帝王切開・既往子宮手術・胎児発育停止を適応とした帝王切開例,子宮内胎児死亡,データ欠損は除外とした.統計学的解析は,Mann-Whitney’s U-test,Chi-square testを用いて行い,p<0.05を有意差ありとした.CPRについては,ROC解析にて至適cut-off値を検討した.
【結果】
対象177例より82例を除外した95例において解析した.分娩時の母体年齢(中央値)は,33歳(20-46歳)であった.初産婦は69例(72.6%)であり,分娩週数(中央値)は37.5週(妊娠26週5日-41週6日)であった.妊娠高血圧症候群を33例(34.7%)に認めた.NRFS適応での帝王切開例は33例(34.7%)であり,同群でのCPR(中央値)は0.99(0.60-1.75)とNRFSを認めなかった群に比べて有意に低値であった.ROC解析においては,CPR:0.986をcut-offとした場合に感度:51.5%,特異度:82.3%となった.
【結論】
分娩1週前以内のCPRは,分娩時のNRFS発症予測に有用である可能性がある.