Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.677(2017年)→0.966(2018年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2018 - Vol.45

Vol.45 No.Supplement

一般口演 産婦人科
胎盤・臍帯 1

(S712)

Superb Micro-vascular Imagingによる胎盤血流描出と輝度解析

To visualize and analysis intensity on the blood flow in placenta using the Superb Micro-vascular Imaging

小山 理恵, 羽場 厳, 川村 花恵, 寺田 幸, 佐々木 由梨, 金杉 知宣, 岩動 ちず子, 菊池 昭彦

Rie OYAMA, Gen HABA, Hanae KAWAMURA, Miyuki TERATA, Yuri SASAKI, Tomonobu KANASUGI, Chizuko ISURUGI, Akihiko KIKUCHI

岩手医科大学産婦人科学講座

Obstetrics and Gynecology, Iwate Medical University

キーワード :

【目的】
 リアルタイムにて胎盤血管の微細構造と胎盤内低速血流を描出することは,胎盤因子や妊娠高血圧症候群など血管障害に関与する母体合併症による胎児発育不全の原因検索や分娩時期の判定にも有用である.近年,造影剤を用いることなく微細で低流速の血流を描出することができるSuperb Micro-vascular Imaging(以下SMI)とは,低流速レンジにおけるモーションアーチファク低減,高感度,高分解能と高フレームという利点を持つ.これらの利点によって11分枝までの血流が描出可能であり胎盤・臍帯の詳細な立体画像が報告されている.SMIの表示法としてモノクロの表示ができるmonochromeSMI(以下mSMI)がある.これは低流速に対しより鋭敏であるが残存するモーションアーチファクトも表示される可能性がある.カラー表示であるcolor-coded SMI(以下cSMI)のカラーシグナル色調はエリアシングの影響を受ける場合がある.いずれにしろ,現段階の報告はSMI検出された血流の可視化に重点がおかれ定量解析は遅れをとっている.そこで,本研究は,SMIを用い胎盤血流を描出しオープンソース画像処理ソフトウェアによる輝度解析について報告する.
【対象・方法】
 対象は当院にて妊婦健診を受けている妊婦24例である.超音波断層装置はAplio i 700(東芝メディカル社)で経腹プローブはPVI—475BX i8CX1を用いた.超音波断層装置の設定条件はBモード周波数がd5.5(differential THI 5.5MHz),SMI周波数は3.0MHzとSMI Range(流速)1.4-1.9である.初めに,胎盤付着の子宮筋層を含むようにROIを設定しSMIにて血流を描出しDICOM画像としてHDへ保存する.次に,OsiriXにてDICMO画像をPC上に設けた各症例のファイルへ保存しオープンソースでパブリックドメインの画像処理ソフトウェアであるImage J(NIH)を用いROI内のピクセル値の輝度分布(ヒストグラム)を自動計測した.
統計ソフトウェアはSPSS23.0(IBM)を用いた.解析はt-test,Mann-Whitney U testとROC曲線にてcut-off値の検定を行った.
【結果】
 正常妊婦は10例,生殖補助療法後妊娠9例,精神疾患合併が1例,高血圧合併が3例,SLEが1例であった.妊娠週数群別では10週から20週(A群)が17例で妊娠23週から35週(B群)が7例である.母体の平均年齢は35.5±5.0歳,検査時の平均週数は18.7±7.5週であった.全週数の胎盤平均輝度は49.5±12.3,A群では49.3±13.1,B群は49.8±11.0であった.両群間に有意差は見られず.また,胎盤輝度のcut-off値49でのAUCは0.496(A群)と0.503(B群)であった.しかしながら,生殖補助療法後妊娠2例と高血圧合併3例は胎盤平均輝度が著しく低値であった.
【結語】
 (1)現時点では定量輝度解析に画像処理ソフトウェアを要する.(2)超音波断層装置に搭載されているSMIは,微細血流検出可能であることから胎盤血流検出に適する.(3)今後は,SMIが胎盤や胎児発育に関してprospective study可能で,且つ有効な手法と期待する.