Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2018 - Vol.45

Vol.45 No.Supplement

一般口演 消化器
びまん性肝疾患 1

(S698)

一般内科クリニックにおける肝線維化評価の試み:LFI,M2BPGI,Fib4i等の関係(第2報)

An attempt to evaluate hepatic fibrosis in general internal medicine clinic: focusing on M2BPGI, Liver Fibrosis Index & Fib4index (2nd Information)

菅野 雅彦, 永田 聖華, 松野 たか子, 藤原 悠梨

Masahiko SUGANO, Seika NAGATA, Takako MATSUNO, Yuri FUJIWARA

1すがの内科クリニック内科, 2すがの内科クリニック検査室, 3すがの内科クリニック看護部

1Internal Medicine, Sugano Internal Medicine Clinic, 2Laboratory, Sugano Internal Medicine Clinic, 3Nurcing, Sugano Internal Medicine Clinic

キーワード :

【背景と目的】
診療所でのUS症例は脂肪肝が最多で,合併する線維化がmetabolic症候群等との関連に重要ある.29年1-6月のNAFLD327例の検討でもNAFLD Fibrosis ScoreがHighにてMS合併41.1%, Intermediate 25.4,Low 14.9であるが,肝生検が簡単に行えず評価に苦慮する.Liver Fibrosis Index(LFI)は簡便に測定可能で,近年有用視されているM2BPGIとFib4index, NAFLD Fibrosis Score(NFS)等の各線維化指数,血小板数との関連を症例を増やし検討.
【対象と方法】
29年1-6月と28年4-6月に腹部USとM2BPGI測定を行った386(C型肝炎179例, B型125例, NAFLD80例)を検討.各病態別にLFI, M2BPGI,Fib4index,血小板を検討.US所見:慢性肝障害進展度(CH:0-4)は,肝腫大, 辺縁・表面性状, 実質echoを素に点数化.CHとLFI(肝内の最低3か所測定し平均)についても検討.装置は日立アロカ社:ascendus.
【成績】
患者背景C型肝炎(HC):63.0歳,M99:F80; BMI22.9(AST29IU/L, ALT25,γ-GTP 27mg/dL; FBG108, HbA1c5.9%, Plt17.8; CH:1.5: LFI:2.16)の線維化指数は(M2BPGI:2.15, Fib4index:2.08).B型肝炎(HB)54.5,M68F57; 22.6(31, 34, 41; 102, 5.8, 19.3; 1.3: 1.97)線維化(1.01, 1.77).NAFLD 54.7,M42F38; 24.8(30, 36, 57; 106, 6.0, 21.7; 1.5, 2.11)線維化(0.85, 1.67).
【線維化マーカー相互の検討】
HCはまず LFI別に検討:<1.58(F0);CH(r=0.340)1.1, M2BPGI(0.352)0.62, Fib4i(0.355)1.11, Plt(-0.305)19.9.1.58-2.03(F1); 1.3, 2.08, 1.66, 19.6.2.03-2.40(F2); 1.3, 1.81, 1.99, 17.6.2.40-2.86(F3); 1.7, 2.41, 2.58, 17.0.>2.86(F4);2.6, 5.04,4.30, 10.5.次にM2BPGI別に検討:<1.33(おおよそF0-1): CH(r=0.287)1.5, Fib4i(0.525)1.84, Plt(-0.513)17.1, LFI2.15.1.34-2.21(F1-2): 1.3, 3.21, 14.7, 2.35.2.21-3.27(F2-3): 1.3, 2.81, 14.1, 2.08.>3.28(F3-4): 1.9, 4.04, 11.3, 2.49. LFI(L)とM2BPGI(M)の関係:F3以上の判定は現状L>2.40and/or M>3であるが,73例中andは17例のみ.M>3のみ27でL>2.40のみも29.MとFib4i(F)の関係: F>2.67(F3の目安)and/or M>3は56例でandは23例.F>2.67のみ12例,M>3のみ21例,and例が多いのはM,Fの相関がM,Lより良いためと考える.LとFの関係: L>2.40 and/or F>2.67は61例.19例のみがand例,L>2.40のみ27例F>2.67のみ15例でLについては皮下脂肪の厚の要因がありそう.Pltとマーカーの関係:M:r=-0.513, F:0.694, L:-0.305と前2者で相関が強いが,M,Fの低値ではPltがかなり幅広く分散してしまう.HB CHとLFI(r=0.334)の関係;CH≦1:L 1.84, 1.5:2.03, 2:2.15, 2.5:2.35, >3:2.70と相関はよい.Mと他マーカーの関係;F(r=0.738)は相関が良くF0-1の目安F<1.30の55例中M>0.8は7例のみ,F>2.67の14例ではM<0.8は2例のみ.F1.30-2.67の63例中33例はM<0.7である.MとL は(r=0.159)であるが,M<0.7の78例中53例はL<2.15で,M>0.8の37例中18例はL>2.03であった.MとPltはr=0.379でHCに相関は劣るが分布はきれいである.NAFLDも症例が増えMとNFS:r=0.650, MとF:r=0.837, MとPlt:r=-0.598等良い相関,Mが高値と低値に2分する傾向は同じ.F<1.30の39例中M>0.9は1例のみ,F>2.67は12例でM<0.9が3例,中間値29例もM>0.9は8例のみ.MとLはr=0.257だが,M<0.9の60例中52例がL2.40未満で,M>1.0の20例では2例のみがM<2.03であった.
【結語】
HCはBMIも考慮しM,L,Fを組み合わせることによりF3の類推が確実になる.HBはM0.8以上,またNAFLDはM1.0以上でF3の類推と考えたいがLを参考にする必要がある.後2者はHCに比べてMの分布が非常に狭いと考えられる.