Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.677(2017年)→0.966(2018年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2018 - Vol.45

Vol.45 No.Supplement

一般口演 消化器
びまん性肝疾患 1

(S696)

門脈圧亢進症症例に対する部分脾動脈塞栓術の効果と門脈血流速の変化との関係性の検討

Utility of ultrasonography for evaluation of partial splenic embolization for portal hypertension

福井 悠美, 佐伯 一成, 日髙 勲, 高見 太郎, 山﨑 隆弘, 坂井田 功

Yumi FUKUI, Issei SAEKI, Isao HIDAKA, Taro TAKAMI, Takahiro YAMASAKI, Isao SAKAIDA

1山口大学大学院医学系研究科消化器内科学, 2山口大学大学院医学系研究科臨床検査・腫瘍学

1Department of Gastroenterology and Hepatology, Yamaguchi University Graduate School of Medicine, 2Department of Oncology and Laboratory Medicine, Yamaguchi University Graduate School of Medicine

キーワード :

【背景と目的】
腹部超音波検査(US)は,慢性肝疾患における肝線維化,脾腫などの評価にしばしば用いられる.また,部分脾動脈塞栓術(PSE)は,肝硬変(LC)における門脈圧亢進症(PH)に伴う血小板減少を改善する目的で施行される.USを用いて,PSE施行前後での門脈血流の変化の意義を検討した.
【方法】
超音波診断装置はAscendus(日立アロカメディカル社)を,探触子はEUP-C715を使用した.2013年7月から2016年10月までに当院でPSEを施行した30症例を対象とした.年齢の中央値は65.5歳,男性18例/女性12例,Etiology HBV 2例/HCV 18例/Alcohol 3例/NonB NonC 6例であった.治療前および治療後1週間で門脈右枝のピーク血流速の平均値(MPVmax),最低血流速の平均値(MPVmin)を算出し,これら変化と1か月後,6か月後の血小板上昇率との関係を検討した.
【結果】
PSE施行前のMPVmaxおよびMPVminの中央値は15.4,11.8cm/sであった.PSE施行後1週間では,13.3,10.4cm/sであり,PSE治療前後でMPVminは有意な低下を認めた(p=0.0300).PSE症例での治療前,治療後1か月,6か月の血小板数は,4.8,11.2, 10.4万/μLであり,1か月後,6か月後の血小板上昇率は,120.4,121.8%であった.単変量解析で1か月後血小板上昇率と相関を認めた項目は,治療前血小板数(p<0.0001)およびMPVmin変化率(ΔMPVmin)(p=0.0383)であった.ΔMPVminは6か月後血小板上昇率とも相関を認めた(p=0.0166).いずれも逆相関であった.さらに,1か月後血小板上昇率が200%以上であった8症例に限定すると,全症例で治療前血小板数が6万/μL 未満であり,MPVminだけでなく,MPVmaxも治療前後で有意な低下を認めた(それぞれp=0.0156,p=0.0234).ただし,ΔMPVとPSEによる副作用出現や肝予備能の変化に相関は認めなかった.
【考察】
PSE施行後に良好な血小板上昇効果が得られた群で,MPVmaxおよびMPVminの低下が認められた.
【結語】
USは非侵襲的検査であり,PSE治療効果を検討する上で,USでの評価を行うことは有用である.