Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

一度このページでloginされますと,Springerサイト
にて英文誌のFull textを閲覧することができます.

cover

2018 - Vol.45

Vol.45 No.Supplement

一般口演 消化器
肝悪性腫瘍/治療

(S673)

大腸癌術後の転移性肝癌に対する超音波ガイド下RFAについての検討

Investigation on ultrasonic guided RFA for metastatic liver cancer after colorectal cancer surgery

村上 大晟, 平岡 淳, 越智 麻理絵, 植木 秀太朗, 宮田 英樹, 二宮 朋之, 道堯 浩二郎, 吉山 広嗣

Taisei MURAKAMI, Atsushi HIRAOKA, Marie OCHI, Hidetarou UEKI, Hideki MIYATA, Tomoyuki NINOMIYA, Kojirou MICHITAKA, Hirotsugu YOSHIYAMA

1愛媛県立中央病院消化器病センター, 2愛媛県立中央病院消化器外科

1Gastroenterology, Ehime Prefectural Central Hospital, 2Gastroenterological Surgery, Ehime Prefectural Central Hospital

キーワード :

【背景・目的】
超音波ガイド下経皮的ラジオ波焼灼療法(RFA)は肝癌に対して局所制御に優れた根治の期待できる低侵襲な治療法として確立されている.転移性肝癌では原発巣や肝内外の病変の状態により予後が規定されるが,肝転移巣に対するRFAの有効性についてはまだ一定の見解はみられていない.大腸癌術後転移性肝癌に対するRFA治療効果を明らかとする.
【対象と方法】
2012年1月~2016年12月に当院にて大腸癌術後肝転移に対する治療としてRFAが初めて施行された20例(男性14例,女性6例,平均年齢70.8±10.9歳,平均腫瘍径1.6±0.9cm,平均腫瘍数 1.7±1.3(1-6)個,人工胸腹水使用13例)を対象とした.後方視的に大腸癌術後転移性肝癌に対するRFAについて治療成績を検討した.
【結果】
全例外科からの依頼でRFAを行った. 平均入院期間は7±2.13日(術中RFA症例は除く)であった.平均観察期間は37.7±18.8ヶ月で,RFA以降の累積生存率は3年73.4%,5年52.4%であった.局所再発を5例に認め,異所再発は7例であった.累積局所再発率は1年15%,2年20.3%,3年27.6%であった. RFAに伴う合併症は認めなかった.局所再発症例の平均最大腫瘍径1.66±0.66cmで,局所再発のなかった症例と差はなかった(1.85±1.12cm,P=0.63),また多発症例7例において4例で局所再発がみられたが,単発症例13例では1例で(P=0.101),今回の検討では局所再発に関与する明らかな腫瘍因子は抽出されなかった.
【結語】
局所再発率は若干高いものの,低侵襲なRFAは大腸癌肝転移症例の予後改善に有用である可能性が示唆された.