Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2018 - Vol.45

Vol.45 No.Supplement

一般口演 消化器
消化管/症例

(S671)

超音波検査で描出し得た咽頭食道憩室(Killian-Jamieson 憩室)の 4 例

Four cases of Killian-Jamieson diverticulum diagnosed with ultrasonography

松原 友紀, 本田 伸行, 佐藤 まり恵, 橋向 成典

Yuki MATSUBARA, Nobuyuki HONDA, Marie SATOU, Shigenori HASHIMUKAI

寺元記念病院画像診断センター

Diagnostic Imaging Center, Teramoto Memorial Hospital

キーワード :

【はじめに】
甲状腺腫瘍との鑑別を要する咽頭食道憩室(Killian-Jamieson 憩室)の4例を経験したので報告する.
【症例1】
80 歳代女性.喉の違和感を主訴に来院.超音波検査(以下US)にて甲状腺左葉に一致して境界明瞭で内部エコー不均一な低エコー腫瘤を認め甲状腺腫瘤を疑ったが,詳細に観察すると食道との連続性を認め,咽頭食道憩室と診断した.その後,内視鏡検査でも確認した.
【症例2】
90 歳代男性.喉のつかえを主訴に来院.US にて食道から甲状腺左葉に突出する憩室を認めた.内視鏡検査でも咽頭食道憩室を確認した.
【症例3】
80 歳代女性. 嗄声を主訴に来院.US にて甲状腺左葉背側に腫瘤を認めた.甲状腺腫瘤とまぎらわしかったが,食道との連続性を確認することで咽頭食道憩室と診断できた.胸部CTでも同様の所見を確認した.
【症例4】
50歳代男性.人間ドックの上部消化管造影検査(以下UGI)で咽頭食道憩室を指摘され,当日USが依頼された.症状はなく, USにて甲状腺左葉に一致して境界明瞭で内部エコー不均一な低エコー腫瘤を認めたが,食道との連続性を確認し,UGI同様咽頭食道憩室と診断した.
【経過】
4症例ともに症状は無症状あるいは軽度で,現在も経過観察中である.
【結語】
咽頭 - 食道部から左前方に突出する Killian-Jamieson 憩室は,甲状腺腫瘤あるいは副甲状腺腫瘤との鑑別を要する.USでは食道との連続性の有無に注意して検査することで鑑別は比較的容易と考えられた.