伊集院 裕康, 古賀 哲也, 厚地 伸彦, 神山 拓郎, 石田 秀明

Hiroyasu IJUIN, Tetuya KOGA, Nobuhiko ATUTI, Takurou KAMIYAMA, Hideaki ISIHIDA

¹天陽会中央病院内科, ²天陽会中央病院放射線科, ³秋田赤十字病院内科

¹Internal Medicine, Tenyoukai Chuo Hospital, ²Radiology, Tenyoukai Chuo Hospital, ³Internal Medicine, Akita Red Cross Hospital

キーワード :

（目的）Amplitude Modulation Method（以下AM法）はの基本波成分をamplitude modulation 法を用いて表示した方法である．背景のエコー輝度にかかわらず造影剤のみを表示する特徴がある. 　大腸憩室炎において憩室を取り囲む肥厚した脂肪織の中に更に高輝度の点状エコーを認めることがある.　このような場合憩室炎の中でも圧痛が強く　発熱も38℃以上が多いとされる.　この点状エコーは憩室が小さな穿孔を起こし周囲の脂肪組織にガスが捕らえられた像と考えられる.　その像はなかなかCTでは描出できない.この点状エコーの描出にAM法が有用と思われたので報告する.
（対象と方法）症例はCTにて診断した大腸憩室炎10例（男4例女6例　30-66歳）.S状結腸3例下行結腸1例　横行結腸2例　上行結腸4例である.それぞれCT　Bモード（通常観察）,およびAM法を比較した.超音波診断装置はGE社製LogiqS8を使用した.
（結果）CTで腸管周囲の脂肪織内ガスは1例もとらえられなかった.　 Bモードでは3例に点状高エコーをとらえられた.　AM法では5例に明瞭に脂肪織内ガスと思われる点状高エコーをとらえられた.　
（考案）憩室炎に伴う周囲の脂肪織炎は高輝度で脂肪織炎内の点状高エコーは通常のエコーでは見えにくいが　AM法にて脂肪織炎は高輝度が抑えられ点状エコーがより明瞭に描出された.
（結語）AM法は　憩室炎における腸管外脂肪織のガスの描出に有用な可能性もあり報告する.