Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2018 - Vol.45

Vol.45 No.Supplement

一般口演 消化器
肝腫瘍/症例

(S663)

多発肝細胞癌の破裂部位同定に造影エコーが有用であった2症例

Two cases in which contrast echo was useful for diagnosis of bleeding site in ruptured cases of multiple hepatocellular carcinoma

大澤 朗太, 中河原 浩史, 渡邊 幸信, 平山 みどり, 三浦 隆生, 塩澤 克彦, 山本 敏樹, 小川 眞広, 森山 光彦

Rota OSAWA, Hiroshi NAKAGAWARA, Yukinobu WATANABE, Midori HIRAYAMA, Takao MIURA, Katsuhiko SHIOZAWA, Toshiki YAMAMOTO, Masahiro OGAWA, Mitsuhiko MORIYAMA

日本大学病院消化器内科

Division of Gastroenterology, Nihon University Hospital

キーワード :

【緒言】
肝細胞癌破裂症例に対し肝動脈塞栓術(以下TAE)は有効な治療法である.しかし多発癌症例も多く出血部位の同定に苦慮することも多い.今回造影エコーが肝細胞癌破裂症例の出血部位同定に有用であった2症例を経験したので報告する.
【症例①】
83歳男性.肝両葉多発肝細胞癌症例.腹痛で搬送され,造影エコーで肝左葉周囲の腹水に造影剤の流出が確認され左葉の肝細胞癌破裂と判断しTAEを施行した.
【症例②】
80歳男性.肝両葉多発肝細胞癌症例.腹痛で搬送され造影エコーで肝右葉の血餅が付着した肝細胞癌より造影剤の腹腔内への流出を確認し,出血源と判断しTAEを施行した.
【考察】
肝細胞癌破裂症例では肝腎症候群の併発も多く,緊急での造影CTは推奨されない.両症例とも単純CTでは出血源の同定には至らず,TAEの適応のみではなく肝不全を避けるために治療範囲を術前に限定できた造影エコーは極めて有用な手法と考えられた.