Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2018 - Vol.45

Vol.45 No.Supplement

一般口演 循環器
心機能

(S639)

2型糖尿病患者に対するDapagliflozinの心血行動態と心負荷に及ぼす急性効果

Acute effect on cardiac hemodynamics and cardiac load of Dapagliflozin for type 2 diabetic patients

福岡 裕人, 茅野 博行, 松井 泰樹, 太田 礼, 木庭 新治, 下司 映一, 小林 洋一

Hiroto FUKUOKA, Hiroyuki KAYANO, Taiju MATSUI, Rei OOTA, Shinji KOBA, Eiichi GESHI, Youichi KOBAYASHI

昭和大学内科学講座循環器内科学部門

Division of Cardiology, Department of Medicine, Showa University

キーワード :

【目的】
SGLT2阻害薬により糖尿病の改善とともに心不全の新規発症を予防できると多くの研究で報告されているが,その機序については知られていない.本研究はDapagliflozinが心血行動態と心負荷に及ぼす急性効果を安静時と運動時で比較することである.
【対象と方法】
対象は虚血性もしくは高血圧性心疾患を有する2型糖尿病患者で,HbA1c 7.0%以上9.0未満の糖尿病治療目標未達成患者(67.3±9歳)の42症例である.BaselineのLVEF(%)とHbA1c(%)値を因子とし,Dapagliflozin 5mg追加群(21症例)と従来薬追加群(21症例)の2群に前向き無作為割り付けした.安静時と運動時の心血行動態(一回拍出量係数, 心係数)と心負荷(左房圧, 三尖弁収縮期最大圧較差)を心エコー図で記録し,2 群間のBaselineと1.5月後での変化量(率)を比較した.運動量はBaseline時の心肺運動負荷試験の嫌気代謝閾値を目安とした.心エコー図はGE社製Vivid E9を使用し,運動負荷は専用の臥位式ergometerを用いた.負荷前後の血圧,心拍数,Double productや体組成(体脂肪率,筋肉量)や血液生化学検査も比較した.
【結果】
表.
【考察と結論】
Dapagliflozin群でDouble productは減少しており,同じ運動量での心筋酸素需要量が低下していた.そのため心血行動態を維持しながらも左房圧と三尖弁収縮期最大圧較差は低下し,両心負荷を軽減させることができた.これは新規心不全発症を予防し得る機序になると考えられた.