山田 優, 石津 智子, 中川 大嗣, 菅野 昭憲, 山本 昌良, 濱田 佳江, 町野 智子, 瀬尾 由広, 青沼 和隆

Yu YAMADA, Tomoko ISHIZU, Daishi NAKAGAWA, Akinori SUGANO, Masayoshi YAMAMOTO, Yoshie HAMADA, Tomoko MACHINO, Yoshihiro SEO, Kazutaka AONUMA

筑波大学循環器内科

Cardiology, University of Tsukuba

キーワード :

【背景】
3D経胸壁心エコー図検査（3D-TTE）による右室計測は，心臓MRIと比較して，EFやEDVが過小評価されやすいことが報告されている．しかしながら，3D経食道心エコー図検査（3D-TEE）による右室計測の報告は少ない．
【目的】
本研究の目的は3D-TTEと比較した，3D-TEEによる右室計測の有用性を検討することである．
【方法】
46症例で3D-TTEおよび3D-TEEでの右室画像を取得した．測定機種はVivid E95（GE），Vivid E9（GE），Aplio i900（Toshiba）を用いた．右室はinlet septum，inlet inferior wall，inlet lateral wall，outflow septum，outflow free wall，apical septum，apical free wallの7区画に分け，得られた画像の右室壁視認性を0：不良，1：可，2：良に分類した．取得画像から右室容量を解析し，13症例では心臓CT画像での右室EDVを計測した．
【結果】
右室7区画の壁視認性は，3D-TTEに対して3D-TEEで良好な結果であった（合計：9.2±1.6 vs. 12.3±1.3, p＜0.05）．区画別の壁視認性では，outflow septum，outflow free wall，inlet lateral wallにおいて有意に3D-TEEで良好であり，inlet inferior wallでは3D-TTEの方が有意に良好であった．また，右室容量解析では，3D-TEEの方がEF（45.6±7.0％ vs. 49.4±7.1％, p＜0.05），EDV（98.2±22.2ml vs. 110.2±24.8ml, p＜0.05）が有意に大きかった．心臓CTで計測したEDVとの誤差（絶対値）に関しては，3D-TEEの方が3D-TTEよりも有意に小さかった（8.3±11.8 vs. 19.2±8.8ml, p=0.01）．
【結語】
3D-TTEと比較して，3D-TEEで取得した右室画像は壁視認性が良好であり，EFおよびEDVは有意に大きく，心臓CTでの計測とも誤差が少なかった．