Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.677(2017年)→0.966(2018年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2018 - Vol.45

Vol.45 No.Supplement

一般口演 循環器
右心

(S631)

三尖弁輪運動の心駆出量への影響: Two-dimensional Speckle trackingとTAPSEとの比較

Effect of tricuspid valve movement on stroke volume: comparison between two-dimensional Speckle tracking echocardiography and TAPSE

橋本 郁夫

Ikuo HASHIMOTO

富山市民病院小児科

Pediatrics, Toyama City Hospital

キーワード :

背景
Two-dimensional Speckle tracking echocardiography(以下2DSE法)は,三尖弁輪の2次元での動きを超音波入射角度に依存せず解析可能である.従って三尖弁輪の心尖部方向への移動を従来のM-mode法を用い三尖弁外側の動きを測定するTissue annular plane systolic excursion(TAPSE)に比べ正確に測定し,肺血流量をより正確に予測できる可能性がある.今回,心駆出量に関して2DSE法とTAPSEの比較を行った.
対象と方法
大動脈弁逆流,僧帽弁逆流等を認めない小児224名(年齢平均5.0±3.6才)を無作為に抽出した.心臓超音波検査装置はフィリップス社製EPIQ7を用い,左室四腔断面を描出記録後,三尖弁中隔側弁輪部(TV1)と三尖弁外側弁輪部(TV2)とに関心領域を定め,また,心尖部付近に定めた点と各々の関心領域と心尖部との心周期における距離変化(TV1dおよびTV2d)を2DSE法を用い測定した.また,TAPSEをM-mode法より測定した.肺血流は大動脈血流と等しいと仮定し左室駆出量を3次元エコー法(QLAB 10.4)にて測定した左室拡張末期容積と収縮末期容積から算出し,右室駆出量(RVSV)とした.
結果
RVSVのTVd1,TVd2との相関は何れも非線形的な関係を示し,TVd1とはy=3.6x0.34, r=0.74, P<0.001,TVd2とはy=7.62x0.24,r=0.53, P<0.001と中隔側TVd1がより良好な相関関係が得られた(P<0.001).一方TAPSEとRVSVとの相関も同様に非線形的な相関を示し,y=9.6x0.25,r=0.68, P<0.001であったが,これはRVSVとTVd1との相関には有意差は認めなかったが(P=0.28),RVSVとTVd2との相関に比べ有意に良好な相関を認めた(P=0.012).
考察および結論
RVSVは三尖弁外側の動きであるTVd2より中隔の伸縮であるTVd1とより強い相関が得られた.このことは右室の駆出は三尖弁外側弁輪部よりも心室全体の長軸方向の伸縮である心室中隔の収縮に強く影響されていることを示唆しているものと思われる.また,TAPSEの駆出量に対する影響は三尖弁輪外側よりも中隔側の動きに近いと言える.