原田 侑, 宇都宮 裕人, 日高 貴之, 板倉 希帆, 木下 未来, 須澤 仁, 泉 可奈子, 木原 康樹

Yu HARADA, Hiroto UTSUNOMIYA, Takayuki HIDAKA, Kiho ITAKURA, Mirai KINOSHITA, Hitoshi SUSAWA, Kanako IZUMI, Yasuki KIHARA

広島大学病院循環器内科

Cardiovascular medicine, Hiroshima University hospital

キーワード :

【背景】
運動による僧帽弁逆流の増悪（Exercise-induced mitral regurgitation, EIMR）は心不全における予後予測因子であることは知られているが，その詳細については未だ不明なことが多い．
【方法】
中等度以上の症候性僧帽弁逆流（MR）患者30例（機能性MR15例，器質性MR15例）に対し，経食道3次元（3D）心臓超音波を施行した．ハンドグリップ負荷の前後でanterior-posterior（A-P）径，anterolateral-posteromedial（AM-PL）径，tenting height，color 3D vena contracta area（3D-VCA）を測定し負荷による変化量を比較した．時相は収縮中期に統一しtenting heightは3つのA-P断面の平均とした．
【結果】
3D-VCA増加量（⊿3D-VCA）は機能性MRで有意に大きかった（17.5 versus 6.1mm2, p＜0.01; Figure）．機能性MRではハンドグリップ負荷中でのtenting heightの高さに有意な増加（⊿tenting height）があり，⊿3D-VCAと良い相関を示した．一方，器質性MRでは収縮期血圧の上昇のみが⊿3D-VCAと相関を示した．
【結論】
EIMRの関連因子は機序によってことなる可能性がある．