Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.677(2017年)→0.966(2018年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2018 - Vol.45

Vol.45 No.Supplement

一般口演 基礎
音場計測

(S594)

細胞培養容器が超音波の音場に及ぼす影響の数値シミュレーション

Simulation of influence of cell culture container on sound field of ultrasound

浅岡 直樹, 五十嵐 茂, 竹内 真一

Naoki ASAOKA, Shigeru IGARASHI, Shinichi TAKEUCHI

1桐蔭横浜大学工学研究科医用工学専攻, 2職業能力開発大工学研究科博士後期課程医用工学専攻修了, 3桐蔭横浜大学医用工学部臨床工学科

1Department of Medical Engineering Graduate School of Engineering, Toin University of Yokohama, 2Graduate School of Engineering Doctoral Program Medical Engineering graduates, Polytechnic University, 3Department of Clinical Engineering, School of Medical Engineering, Toin University of Yokohama

キーワード :

【目的】
当研究グループでは,球面集束型圧電振動子を用いて細胞培養容器内の付着細胞に対して超音波照射を行っていた.しかし,集束超音波では容器内の底面に付着している全細胞数に対する超音波に暴露された付着細胞数の割合が少ないため,細胞への影響に関する評価を行うことが困難であった.そこで,当研究グループの五十嵐茂氏の研究である「音響導波路を用いたハイドロホン校正用高強度音源システム」を参考に,in vitro での付着細胞に対する超音波照射システムの再検討を行った.五十嵐氏の研究では,集束超音波と音響導波路を用いるシステムで高強度かつ焦点付近よりも音圧の変化の緩やかな音場を形成することが可能であるという結果がある.一方,我々は培養容器の底面の付着細胞に均一な音圧の超音波を照射したいと考えている.そこで本研究では,有限要素法による3次元音場シミュレーションによって球面集束型圧電振動子と音響導波路を用いた均一な音圧の超音波を照射可能なシステムの検討と培養容器が超音波音場に及ぼす影響についての検討を行った.
【検討方法】
均一な音場を形成することが可能な超音波照射システムの検討は,球面集束型圧電振動子と円筒型音響導波路(独立気泡スポンジ)を用いた3次元モデルを2次元の軸対称モデルとして有限要素法によるシミュレーションを行った.
音響媒体は水を想定し,圧電振動子には,富士セラミックス C-213材を使用した直径 100 mm,曲率 100 mm,厚さ 1.55 mmのハードなPZT圧電振動子を想定した.
また,上記で検討した超音波照射システムの均一な音場を形成可能な位置に,スチレン材を想定した培養容器を挿入することで,音場へ及ぼす影響と培養容器内の音場分布を調べるためにシミュレーションを行った.培養容器は,内径 7.5 mm,肉厚 1.75 mm,容器底部の厚さ 1.5 mm,固有音響インピーダンス 2.43 Ns/m3とした.
【結果】
空気層が存在している細胞培養容器を本システムの均一な音場を形成可能な位置に置いた時のシミュレーション結果より,培養容器の底面と液面境界で超音波が反射して定在波が発生することを確認できた.
【結論】
空気層が存在している培養容器に超音波照射を行うと培養容器の底面と液面境界で超音波が反射して定在波が発生し,培養容器内の音圧が高くなることを確認できた.そこで,培養容器内の空気層を吸音材に置き換えることで定在波の発生を抑制することが必要であると思われる.