Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2018 - Vol.45

Vol.45 No.Supplement

一般口演 基礎
超音波計測システム

(S593)

プローブの動きを用いた超音波診断装置の操作機能の開発

Development of operation function of diagnostic ultrasound scanner using motion of transducer

松村 剛, 皆川 洋至, 冨田 慶, 藤田 健一

Takeshi MATSUMURA, Hiroshi MINAGAWA, Kei TOMITA, Kenichi FUJITA

1株式会社日立製作所ヘルスケアビジネスユニット, 2医療法人城東整形外科

1Healthcare Business Unit, Hitachi, Ltd., 2Johto Orthopaedic Clinic

キーワード :

【背景】
超音波検査における以下のような局面では,検者自身が超音波装置の操作を行うことが困難である.
(1)エコーガイド下生検:他方の手で吸引操作をするため両手が塞がってしまう
(2)術中:清潔下での施術のため術者が装置を触ることができない
(3)運動器エコー(整形):他方の手で患部にストレスを加えて観察するため両手が塞がってしまう(肩,足首,アキレス腱,膝,肘,指など)
これらの状況下では,検者の口頭指示に従い,看護師が超音波装置の操作を行っており,現場の負担となっている.
【目的】
超音波装置の操作パネルを触らずに装置を操作できるようにする.
【方法】
超音波診断装置のBモード画像を外部PCに出力し,PC上のソフトウエアによりBモード画像を解析するシステムを構築した.
Bモード画像のフレーム間における所定領域の変位や相関係数を解析することにより,検者がプローブに与えた動きを検出することが可能である.この原理に基づき,所定の装置操作(遷移)に対応させたプローブの動きをリアルタイムに識別し,プローブをPCのマウスのように用いて装置を操作する機能を試作した.
超音波検査のスキャン操作中に同時実行される本機能が有効に機能するためには,誤認識が少なく,入力が容易なプローブ入力動作の設計が重要である.そこで,一般的なスキャン操作手技におけるプローブの動き(または状態)の特徴を分析し,フリーズON,フリーズ解除,ストア(静止画保存)のプローブ入力動作の仕様を検討した.
【結果】
本機能が整形外科外来の超音波装置の操作手段として有用である見通しを得た.今後,適用領域に応じた本機能の最適化を進め,ワークフロー改善のための新しいアプローチとして提案していきたい.