Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.677(2017年)→0.966(2018年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2018 - Vol.45

Vol.45 No.Supplement

一般口演 基礎
超音波計測システム

(S591)

胎児発育評価における腹囲自動計測手法に関する検討

Automatic Abdomen Measurement for Fetal Growth Evaluation

豊村 崇, 野口 喜実, 高野橋 健太, 柴原 琢磨, 荻野 昌宏, 前田 俊徳, 井上 健太, 井上 信康

Takashi TOYOMURA, Yoshimi NOGUCHI, Kenta TAKANOHASHI, Takuma SHIBAHARA, Masahiro OGINO, Toshinori MAEDA, Kenta INOUE, Nobuyasu INOUE

1株式会社日立製作所研究開発グループ, 2株式会社日立製作所ヘルスケアビジネスユニット

1Research & Development Group, Hitachi, Ltd., 2Healthcare Business Unit, Hitachi, Ltd.

キーワード :

【はじめに】
胎児計測は発育評価において高頻度に実施される検査項目であり,近年の超音波診断装置には部位ごとの計測機能が搭載されているものが多い.腹囲の計測はエリプス法を用いることが推奨されているが,装置の操作上,検者が計測点を複数指定する必要があり,煩雑であった.また,計測点の指定は検者の判断によるものであり,検者によって計測値に差異が生じる可能性があった.今回,検者による操作の煩雑さを低減し,検者間の計測差異を解消するために腹囲を自動的に計測する手法を検討したので報告する.
【方法】
本手法は,腹部位置を推定する処理と,腹部の輪郭を検出して楕円を当てはめる処理から構成される.実際の臨床画像においては,胎児の姿勢によって腹囲計測断面に胃胞や臍静脈などのランドマークが明瞭に描出されない場合がある.腹部位置推定処理では,機械学習を用いて多様な描出条件の胃胞や臍静脈の特徴を学習することで,これらの組み合わせから成る腹部パターンの検出を可能にした.また,超音波の伝搬特性上,腹部の左右輪郭は欠損しやすいため,腹囲を正確にトレースすることは難しい.そこで,候補点から複数の異なる組み合わせで楕円を当てはめ,独自に設計した腹部形状モデルに合致する楕円を統計的に選択する手法を考案した.
株式会社日立製作所製超音波診断装置ARIETTA 70を用いて腹囲計測断面画像105例を収集し,本手法を適用した.医師操作による近似楕円を真値とし,楕円の類似度を比較評価した.
【結果】
図1に,従来の検者による計測手順の一例(a)と,本手法による計測手順(b)を示す.従来は検者が上下左右の計測点を指定する必要があったが,本手法では計測点の候補が自動的に出力されるため,検者の操作回数を減らすことが可能になる.また,図2に医師操作による近似楕円(破線)および本手法による近似楕円(実線)を示す.本手法により,医師操作による近似楕円と類似した楕円を生成していることが確認できる.
【まとめ】
機械学習による腹部位置推定と統計処理による楕円当てはめを組み合わせた腹囲自動計測手法を開発し,臨床画像による実験・評価を行った.本手法は,計測操作の煩雑さ低減,および計測結果の平準化等,検者の計測操作支援に有用であると考えられる.
※本研究計画は日立グループ倫理審査委員会で審査済み.