Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2018 - Vol.45

Vol.45 No.Supplement

特別プログラム・技を究める 血管エコー
血管エコー3 血管エコー技の伝承 教育システムを考える

(S522)

東北大の教育システムと東北地方の技の伝承

The educational system and the tradition of techniques

三木 俊, 三木 未佳, 船水 康陽

Takashi MIKI, Mika MIKI, Yasuharu FUNAMIZU

東北大学病院生理検査センター

Clinical Physiology Center, Tohoku University hospital

キーワード :

【東北大学病院の教育プログラム】
東北大学病院生理検査センターでは全項目に対して検査手順書と教育プログラムがある.この教育プログラムは,具体的な項目と到達点などが明確になり,スキルに合った基本の描出や計測項目,描出方法の習得項目,目標症例数など研修内容を確認しながら検査を習得できるシステムになっている.また,教育担当者は1人ではなく,複数の指導的立場の技師も指導するので,血管エコーの習得に教育プログラムは必須となっている.
【スクリーニング教育ステップ】
スクリーニングスキルとして基本6ヶ月目標としているがスキルによって3ヶ月~12ヶ月で完了する場合もある.
①職員を被験者に健常者のハンズオンを実施する.基本的な描出テクニックを学び,目標の件数を達成する.
②指導者施行の見学時にピンポイント,ターゲット部分のみを描出する.目標の件数目標の件数は個人スキルで調整する.
③指導者の監視の下1人で施行する.指導者はチェックのみ.
④最終段階,1人で施行して,指導者は確認のみ行う.ダブルネームで記載.
⑤教育担当者が判断,1人でルーチン業務を行う.
【応用教育ステップ】
教育プログラムを用いた複雑な疾患対応スキルで基本12ヶ月を目標にしている.習得スキルは血管バイパス術前後評価や複雑奇形,移植等である.
①血管の解離や瘤,人工血管置換術,血管評価.
②その他,各術中エコーなど.
基本,教育プログラムはルーチン業務ができることが前提だが,全ての検査が完璧にできるわけではなく,1人立ちしても必ずフォローに入るようにしている.また,充分なコミュニケーションをとり,苦手部分の克服や知識・技術等の直接指導を行う.
【宮城県内,東北地方での技の継承】
当センターが関わっている脈管関連の研修会・講習会は「東北CVTの会」「東北血管エコーセミナー」「弘前超音波研究会」「宮城超音波倶楽部」「グローバルエコーセミナー」があり,血管ハンズオンやライブレクチャ-等を数多く企画・開催している.東北内で連携をとり,技の継承に貢献している.
【まとめ】
血管エコーの教育は知識と技術の伝承を同時進行で行う必要があり,ある程度の指導が終了した職員は若手の指導を行い知識と技術を深め,その他資格に挑戦することも重要である.本セッションでは演者の様々な血管エコー技の伝承法や教育システム等を踏まえてディスカッションしたい.