Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2018 - Vol.45

Vol.45 No.Supplement

特別プログラム・知を究める 運動器
パネルディスカッション 運動器2 先への一歩~超音波ガイド下手術~

(S479)

下肢疾患に対する超音波ガイド下手術

Ultrasound guided surgery for musculoskeletal disorders of the lower limb

笹原 潤, 宮本 亘, 安井 洋一, 根井 雅, 河野 博隆, 松下 隆

Jun SASAHARA, Wataru MIYAMOTO, Youichi YASUI, Masashi NEI, Hirotaka KAWANO, Takashi MATSUSHITA

1帝京大学スポーツ医科学センター, 2帝京大学医学部整形外科学講座

1Institute of Sports Science and Medicine, Teikyo University, 2Department of Orthopaedic Surgery, Teikyo University School of Medicine

キーワード :

 2015年に超音波ガイド下インターベンションに関する米国スポーツ医学会の見解が報告されている.この報告では,関節内などへの単純な超音波ガイド下注射は第1世代,Hydrorelease(痛みの原因となっている結合組織へ超音波ガイド下に薬液を注入し,同部をリリースして痛みを改善させる手技)と同様の手技であるHydrodissectionや石灰沈着性腱板炎に対する超音波ガイド下でのパンピングなどは第2世代に分類され,超音波ガイド下手術が第3世代に分類されている.その中で,第2世代と第3世代は今後も進化し続けていくと予想されている.第2世代にあたるHydroreleaseは,まだその除痛メカニズムは解明されておらず,エビデンスも乏しい.今後はHydroreleaseの除痛メカニズムを解明し,その適応と具体的な治療法を明確化してエビデンスを構築していくことが必要である.また,第3世代にあたる超音波ガイド下手術は,手指の狭窄性腱鞘炎やアキレス腱断裂に対して行われつつあるが,本邦で行っている施設はまだ少ない.今後普及させていくためには,超音波ガイド下インターベンションに特化したデバイスの開発が必要である.また米国スポーツ医学会のように,学会レベルで今後の方向性をはっきりと示すことも重要であると考えている.
 本発表では,下肢疾患に対する超音波ガイド下手術の現状と今後の展望について述べる.