英文誌(2004-)
特別プログラム・知を究める 運動器
パネルディスカッション 運動器1 先への一歩~超音波ガイド下注射~
(S474)
"くび"の痛みにhydro-release
Ultrasound guided hydro-release for "neck" pain
髙橋 周
Shu TAKAHASHI
東あおば整形外科
East Aoba Orthopedics Clinic
キーワード :
近年,骨を中心に病態を考えるレントゲン時代から,患部をその場で直接診て即座に治療を行うエコー時代へとパラダイムシフトが起こっている. 運動器(整形外科)領域では1970年代に入ってからCT,MRIが加わったものの,画像診断の主役はX線という時代が長く続いた.しかしながら,最近,画質の著しい向上とともにエコーが急速に普及している.エコーは,骨だけでなく軟部組織も描出が可能で,被曝の心配もなく手軽に使え,リアルタイムに動画が撮影でき,診断だけでなく治療にも役立つなどの利点がある.
エコーガイド下の治療で最近注目されているのが,エコーガイド下で生理食塩水等の薬液を注入するhydro-releaseである.第二の筋骨格として考えられているfasciaをエコーによって原因究明し,その場でピンポイントにエコーガイド下hydro-releaseによって痛み,しびれのみならず運動麻痺も改善することが経験的にわかり始めている.
今回は,上頚部から肩甲背部まで,いわゆる"くび"の痛みに対すhydro-releaseを紹介する.