Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

一度このページでloginされますと,Springerサイト
にて英文誌のFull textを閲覧することができます.

cover

2018 - Vol.45

Vol.45 No.Supplement

特別プログラム・知を究める 血管
シンポジウム 血管3 血管エコー標準的評価法の改訂:何が変わった?

(S453)

頸動脈エコー実施上のポイント

Point of the carotid artery ultrasonography implementation

尾崎 俊也

Toshiya OZAKI

社団医療法人トラストクリニック臨床検査課

Department of Clinical Laboratory, Trust Clinic

キーワード :

2009年に公示された「超音波による頸動脈病変の標準的評価法」が,昨年末に「超音波による頸動脈病変の標準的評価法2017」として改訂された.今回追記された大項目は「推奨度とエビデンスレベル」,「閉塞病変の評価」,さらに,高安動脈炎など「その他の頭・頸部血管疾患の評価および診断」などが挙げられる.また,計測や評価法についても,いくつか修正および追記がなされ詳細に記載されている.
計測項目として,総頸動脈遠位壁の固定部位のIMTを計測する「IMT-C10」,オートトレースを用いて1cmの範囲で100点以上のIMTの平均値を求める「mean IMT」が新たに記載され,「プラークスコア」が削除された.
評価法として,プラークの評価の対象が最大厚1.5mm超とされ,新たに可動性プラークなど「注意すべき(要注意)プラーク」が明記された.また,狭窄病変はプラーク占有率50%以上が対象とされ,ドプラ血流法による収縮期最大流速による狭窄率の推定が必須の項目とされた.さらに,「プラーク・狭窄評価のフローチャート」が明記され診断の手順が示された点などが挙げられる.
今回の改定では,標準的評価法が詳細に記載された点において,頸動脈エコー検査のさらなる標準化が期待される一方で,計測項目や評価項目が多岐にわたり臨床現場で実践するには,検査時間などを考慮するとストレスが高められた印象がある.これらに対応するには,最初に患者の病態を把握し,計測項目を必要最小限にチョイスすることが重要と考える.そこで,今回のシンポジュームでは,改訂された「超音波による頸動脈病変の標準的評価法2017」を臨床現場で実践するにあたり,私見ではあるが検査上のポイントを述べさせて頂きます.