Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2018 - Vol.45

Vol.45 No.Supplement

特別プログラム・知を究める 泌尿器
シンポジウム 泌尿器3 泌尿器科領域におけるPoint-of-Care超音波検査

(S437)

在宅医療におけるPoint-of-Care超音波

Point-of-care ultrasonography in home care

千葉 裕

Yutaka CHIBA

北アルプス医療センターあづみ病院地域医療部兼在宅支援科

Homecare Support&Local Medical Division, North Alps Medical Center Azumi Hospital

キーワード :

【目的】
在宅医療におけるPoint-of-Care超音波(以下POCUS)の有用性について検討した.
【対象】
当科で訪問診療を行っている在宅利用者50名,施設入所者80名.
【方法】
訪問診療時にポケットエコー(Vscan dual probe,Vscan extend,
MIRUCO)を帯同し,何らかの症状のある症例に対して超音波検査を施行した.
【結果】
今回の超音波検査で確認された疾患としては,腎尿管結石とそれによる水腎水尿管,膀胱結石,膀胱腫瘍,前立腺肥大症,胸水貯留,皮下膿瘍などがあった.図は膀胱留置カテーテルが頻回に自然破裂抜去するという事で膀胱エコーを施行した80歳代男性で膀胱内に2cm大の結石を認めた.
【結論】
私自身が長年泌尿器科を専門としてきたため,どうしても腎尿路系に対する超音波検査が多いが,今後は肺,心,肝胆,血管,運動器などの領域や,便秘や嚥下機能の評価,褥瘡評価,認知症診断などに対しても,積極的に超音波検査を行っていきたいと考えている.
一方在宅での超音波検査の問題点としては,装置の置き場,検者の位置,走査範囲が限定されたり,体位変換が困難だったり,被検者が非協力的などの問題も多く,特に認知症の方からは拒否されることも少なくない.出来るだけ短時間に,出来るだけ検査部位を絞った検査が必要であり,そのためにはポケットエコーを用いたPOCUSが,今後益々在宅現場では重要な検査法となっていくものと期待している.