英文誌(2004-)
特別プログラム・知を究める 泌尿器
シンポジウム 泌尿器2 小径腎腫瘍術前術後の画像評価のポイント
(S433)
術前術後の超音波診断のポイント
The Point of Pre-/Post-operative Ultrasonography for Renal Tumors
舟橋 康人, 山本 徳則, 後藤 百万
Yasuhito FUNAHASHI, Tokunori YAMAMOTO, Momokazu GOTOH
名古屋大学泌尿器科
Urology, Nagoya University Graduate School of Medicine
キーワード :
慢性腎不全は末期腎不全にいたるリスクであるだけでなく生命予後を悪化させることが報告されており,腎癌治療においても可及的に腎機能を温存する潮流となっている.特に直径4cm以下の小径腎腫瘍においては,腎部分切除術など腎温存療法が選択されることが多い.腎腫瘍の大きさや部位が手術の難度や予後に関係するため,術前に詳細に評価し,切除プランを練っておく必要がある.具体的には1.腫瘍の長径,2.内包度,3.腎杯までの距離,4.前後の位置,5.腎門部との距離 を評価することとなるが,超音波では血管との関係も含め詳細な観察が可能であり,術前評価においても有用である.
腎部分切除術後フォローにおいて,遠隔転移の評価としてはCTスキャンが中心的役割を果たすが,局所再発が疑わしい場合は,詳細な評価が可能な超音波検査が重要となる.この結果により腎摘除術とするか,再度の腎部分切除術とするかの方針を決めることとなる.