英文誌(2004-)
特別プログラム・知を究める 乳腺
パネルディスカッション 乳腺1 Dense breastに対する補助的乳房超音波検査
(S396)
乳がん検診の高濃度乳房(dense breast)問題について理解する
Breast density issues and impacts on breast cancer screening
植松 孝悦
Takayoshi UEMATSU
静岡がんセンター乳腺画像診断科兼生理検査科
Breast Imaging/Breast Intervension, Shizuoka Cancer Center Hospital
キーワード :
最近,乳がん検診における高濃度乳房問題がマスメディアに取り上げられ,国民が高濃度乳房に高い関心を持つようになった.高濃度乳房が乳がんマンモグラフィ検診に与える影響は2つある.1つ目は,高濃度乳房はマンモグラフィの乳癌検出率(感度)を低くすることである. 2つ目は,極めて高濃度乳房は脂肪性乳房よりも乳癌リスクがわずかに高くなることである.しかし,高濃度乳房は珍しいことではなく,異常所見や病気でないことを理解すると共に超音波検査を含めて有効性を証明された補助的乳がん検診モダリティが存在しないことを知るべきである.仮に乳がん超音波検診を施行する際も基本はマンモグラフィの併用検査であり,総合判定をすることが基本である.乳がん検診はマンモグラフィが乳癌死亡率減少効果のエビデンスのある唯一無二の検査であるが,マンモグラフィ検診は100%完璧な検査でないことと乳がん検診の利益と不利益を検診受診者に十分に説明して,理解を得ることが重要である.