英文誌(2004-)
特別プログラム・知を究める 乳腺
シンポジウム 乳腺1 Bモード,エラストグラフィ,バスキュラリティ評価を駆使した乳房超音波検査-Comprehensive Ultrasoundで病理像を想定しよう
(S388)
血流,硬さの情報を活かした組織型推定
Breast tissue characterization based on Doppler and US elastography findings: Most basic of comprehensive US diagnosis
梅本 剛
Takeshi UMEMOTO
つくば国際ブレストクリニック
Tsukuba International Breast Clinic
キーワード :
乳房超音波診断の基本は,Bモード像による形態診断である.走査によりリアルタイムに得られる所見やその局在・分布から病態をイメージすることにより,いくつかの鑑別疾患を挙げることができる.さらに,フローイメージングにより得られる「血流」(バスキュラリティ)やエラストグラフィにて得られる「硬さ」(組織弾性など)といった機能的な情報は,Bモード像により描かれた病態のイメージをより明確にし,鑑別疾患の絞りこみや生検デバイスの選択などを含めた「次の一手」の選択にも寄与する.
今回,本セッションでは,カラードプラ,エラストグラフィの手技や装置設定の基本やコツなどを振り返り,血流や硬さの情報を活かした総合判断の基礎となる事項を確認するとともに,単に「血流シグナルの多寡」や「弾性スコア」といった,各アプリケーションから得られる所見の枠組みや,カテゴリー判定の上げ下げにとらわれず,超音波所見から得られる情報を最大限に活用した組織型推定の基礎を考えてみたい.