英文誌(2004-)
特別プログラム・知を究める 産婦人科
シンポジウム 産婦人科2 子宮病変
(S352)
3D超音波による進行子宮頚癌の診断と治療効果判定
The diagnosis and estimating of therapeutic effect for progressive uterine cervical cancer
田中 圭紀, 山本 健太, 石橋 めぐみ, 天雲 千晶, 真嶋 允人, 花岡 有為子, 金西 賢治, 田中 宏和, 秦 利之
Tamaki TANAKA, Kenta YAMAMOTO, Megumi ISHIBASHI, Chiaki TENKUMO, Masato MASHIMA, Uiko HANAOKA, Kenji KANENISHI, Hirokazu TANAKA, Toshiyuki HATA
香川大学医学部母子科学講座周産期学婦人科学講座
Department of Perinatology and Gynecology, Kagawa University of Graduate School of Medicine
キーワード :
【目的】
HDliveFlowは血管分布をより立体的に描出することができる検査法であり,この手法により腫瘍の血管ネットワークをより明確に構築することができる.進行子宮頸癌9例,子宮頚癌初期(IAI期)1例において,本法を用いて腫瘍血管を描出することを試みた.
【方法】
進行子宮頸癌の10例において,HDliveFlowを用いて腫瘍血管を描出した.
【成績】
子宮頸部扁平上皮癌IIB期からIVB期の患者8例においてHDliveFlowモードでvascular-ring-patternとして腫瘍血管が描出された.腫瘍内部は血管と壊死とが混在しているような所見であった.また,CCRT後に局所のCRが得られていた症例では腫瘍内部の血流は著しく減少していたが,腫瘍周囲のリング状血流は維持されていた.さらに,胃型腺癌のIIIB期症例では扁平上皮癌と比較すると腫瘍血管は乏しかった.
【結論】
従来の2D color/power Dopplerでは子宮頸部腫瘍の血流の立体的な構造を描出することはできなかったが,この手法を用いて腫瘍血管を描出することで,組織型の推定に有用である可能性がある.また血管分布の変化を治療前後で観察することは効果判定にも役立つ可能性がある.