Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2018 - Vol.45

Vol.45 No.Supplement

特別プログラム・知を究める 消化器
パネルディスカッション 消化器6 消化管 消化管のスクリーニングとその有用性

(S341)

消化管超音波検査に貢献することを期待するeFocusingのご紹介

Introduction of eFocusing expecting to contribute to gastrointestinal ultrasonography

渡邉 哲夫, 南里 和秀, 米山 昌司

Tetsuo WATANABE, Kazuhide NANRI, Masashi YONEYAMA

1株式会社日立製作所ヘルスケアビジネスユニット開発統括本部第一製品開発本部システム開発部, 2静岡県立静岡がんセンター生理検査科

1System Section 1, System Design Department, Products R&D Division 1, Hitachi,Ltd.Healthcare Ultrasound R&D Center, 2Department of Physiology, Shizuoka Cancer Center

キーワード :

【背景】
消化管超音波検査を想定した場合,その難しさのひとつに,浅部に着目していた場合においても,深部の病変を見逃さないように注意が必要で,フォーカス深度を常に調整しなければならないという点が挙げられる.また,消化管超音波検査では,Bモードゲインを絞った状態や,消化管ガスによるアコースティックシャドウを軽減する為にコンパウンドスキャンを併用するなかで,消化管壁の層構造を明瞭に表現することが求められる.
【eFocusingについて】
株式会社日立製作所が2017年にARIETTA 850に搭載したeFocusingは,多方向同時受信技術を用い,1回の送信から得られる受信ビーム領域が重なるように送信ビーム位置をシフトし,位置が重複している受信ビームを合成することで,送受信ダイナミックフォーカスを実現している.eFocusingにより,浅部から深部まで均一で高精細かつ高感度なBモード画像の提供が可能となった.また,送受信ダイナミックフォーカシング効果により送信フォーカス依存が軽減され,送信フォーカス深度の設定操作が不要となる.
【考察】
eFocusingを用いることで,消化管壁の層構造などの主な着目部位ばかりではなく,その周囲の炎症所見や浸潤範囲,リンパ節,腹水などの浅部から深部にわたる周辺情報も同時に明瞭に観察することが可能となり,ストレスなく検査者の病変認識度が高まることを期待する.現在はプレミアム超音波診断装置のみに搭載されたeFocusingを,今後は普及機へ展開し,消化管超音波検査の更なる普及に努めたい.