Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.677(2017年)→0.966(2018年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2018 - Vol.45

Vol.45 No.Supplement

特別プログラム・知を究める 消化器
シンポジウム 消化器7 肝臓 診断 肝腫瘤の診療ガイドラインを考える

(S315)

改めて見直されるNBNC肝癌時代における超音波下肝腫瘤生検の重要性

Importance of Ultrasound Guided Liver Tumor Biopsy in NBNC Liver Cancer Era

狩山 和也, 湧田 暁子, 大西 理乃, 塩田 祥平, 古林 佳恵, 能祖 一裕

Kazuya KARIYAMA, Akiko WAKUTA, Ayano OONISHI, Syohei SHIOTA, Yosie FURUBAYASHI, Kazuhiro NOUSO

地方独立行政法人岡山市立総合医療センター岡山市立市民病院消化器内科・肝疾患センター

Department of Gastroenterology and Liver Disease Center, Okayama City Hospital

キーワード :

【背景】
2012年に改定された日本超音波医学会による「肝腫瘤の超音波診断基準」はB-mode,Doppler,造影超音波について詳細に記載され,広く受け入れられている.さらに近年,エラストグラフィーを用いた硬度判定による悪性度診断等による新たなmodalityの進化により,画像検査のみでの結節の性状診断への取り組みが進んでいる.一方,近年,新たな抗ウイルス薬の登場によりHBV/HCV由来のHCCは減少し,代わりにNBNC肝癌の増加が問題とされている.その中には,これまでとは異なる画像所見を呈する症例も散見される.今回,我々は画像診断と病理診断の比較を行い,改めて超音波下肝腫瘤生検の重要性について検討を行った.
【方法】
対象は2016年1月~2017年12月までに当院で肝腫瘤生検を行った89例.臨床診断は超音波・造影超音波・ダイナミックCT・EOB MRIにて行った.肝腫瘤生検は21G針を用い吸引肝生検にてしこおう施行.臨床診断と病理診断を比較し,現在の画像による診断能力とその限界について検討した.
【結果】
臨床診断はHCC疑い42例,ICC疑い8例,転移性肝癌疑い16例,NHL疑い1例,NEC疑い1例,angiosarcoma疑い1例,良性腫瘍(血管腫・FNH・肝細胞腺腫・異型成結節・膿瘍)疑い18例.病理診断はHCC27例,ICC7例,CoCC1例,混合型肝癌1例,転移性肝癌15例,神経内分泌癌1例,NHL1例,異型性結節3例,GIST1例,FNH3例,炎症性偽腫瘍2例,肝細胞腺腫2例,膿瘍2例,no malignancy22例,multifocal nodular steatosis1例.全症例の診断一致率は52.8%(47/89),HCC確診例27例の診断一致率は70.4%(19/27),ICC確診例の診断一致率は57.1%(4/7)転移性肝癌確診15例の診断一致率は80%(12/15).逆にHCC疑いにて生検施行した42例中の診断一致率は45.2%(19/42)で不一致は異型性結節,ICC,肝細胞腺腫,炎症性偽腫瘍等であった.HCC確診例27例のうち6例は画像診断では良性腫瘍と考えられ,背景肝も単純性脂肪肝2例,軽度アルコール性肝障害3例,C型慢性肝炎+脂肪肝1例で5例は高危険群とは言えず,しかも比較的若年例であった.
【まとめ】
肝疾患の背景因子が大きく変化している現在,画像診断の進歩でも診断不能な肝腫瘤は確実に存在し,改めて超音波下肝腫瘤生検が重要であると考えられた.