Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2018 - Vol.45

Vol.45 No.Supplement

特別プログラム・知を究める 消化器
シンポジウム 消化器4 膵臓 膵疾患における造影超音波検査の進歩-up to date-

(S298)

分枝型IPMNにおけるCE-EUSの有用性の検討

The usefulness of contrast enhanced-EUS in the intraductal papillary mucinous neoplasms with mural nodule of the pancreas

藤田 充, 祖父尼 淳, 土屋 貴愛, 糸井 隆夫

Mitsuru FUJITA, Atsusi SOFUNI, Takayoshi TSUCHIYA, Takao ITOI

東京医科大学病院消化器内科学分野

Gastroenterology and Hepatology, Tokyo Medical University

キーワード :

【背景と目的】
IPMN国際ガイドラインによれば分枝型IPMNにおいてCTやMRIで造影効果をともなう結節を嚢胞内に有する場合はhigh risk stigmataとされ,外科的切除が推奨されており造影効果を有する結節の診断は治療方針決定のために極めて重要である.しかし結節が小さい場合には描出が困難であったり,造影剤がアレルギー等で使用できない場合には造影効果の判定が時に困難となる.そのような症例で,われわれはCE-EUSを代替診断法として用いており,その有用性をこれまで報告してきた(Endoscopic Ultrasound2016).今回われわれは,嚢胞内部に結節状隆起が疑われた分枝型IPMN症例に対してCE-EUSを施行し粘液塊と結節の鑑別に対する有用性および組織学的鑑別(腺腫と腺癌の鑑別等)への可能性について探った.
【方法と対象】
CT, MRI, conventional EUSのいずれかにおいて嚢胞内部に結節状隆起が指摘されCE-EUSを施行した55例を対象とした.結節のconventional EUSにおけるエコーレベル,CE-EUSでの結節の染影態度に関して検討を行った.
【結果】
結節のconventional EUSでのエコーレベルはhyperecho 17例,isoecho 27例, hypoecho 11例であった.結節の染影態度はavascular 41例,hypervascular 4例,isovascular 10例であった.CE-EUSで結節の染影を認めなかった41例は粘液塊またはdebrisと診断し手術を回避しえた.嚢胞内部に染影する結節を認めた14例において,9例は手術を施行した.術後病理診断はIPMC 5例,IPMA 4例であったがconventional EUSにおけるエコーレベル,CE-EUSにおける染影態度において腺腫,腺癌の鑑別は困難であった.
【結論】
CE-EUSは,粘液塊およびdebrisと結節病変を鑑別することが可能であり壁在結節が疑われる分枝型IPMNの治療方針決定に有用である.しかしながら,CE-EUSにおいて分枝型IPMNの腺腫,腺癌の鑑別は困難であり,他画像検査をあわせ総合的に診断する必要がある.