英文誌(2004-)
特別プログラム・知を究める 循環器
パネルディスカッション 循環器6 負荷心臓超音波検査の活かし方・落とし穴(症例ベース)
(S278)
大動脈弁狭窄に対する運動負荷心エコー図
Role of exercise stress echocardiography for aortic stenosis
出雲 昌樹
Masaki IZUMO
聖マリアンナ医科大学循環器内科
Department of Cardiology, St.Marianna University School of Medicine
キーワード :
症例は84歳男性,大動脈弁口面積0.76cm2,最高血流速度4.2m/s,平均圧較差40mmHgと心エコー図指標はいずれも高度を満たした.外来診察時の問診では無症状であった.運動負荷心エコー図を施行すると,運動開始4分,20W負荷で息切れと運動誘発性肺高血圧を認め運動終了となった.外来主治医よりTAVIを勧められるも希望せず経過観察となっていた.運動負荷心エコー図から1年後,急性肺水腫及び心原性ショックを認め緊急入院となった.入院後準緊急TAVIを施行し,施行後約1ヶ月のリハビリを要し退院となった.運動負荷心エコー図は安静時心エコー図ではわからない潜在的な症状とリスクをあぶり出す有用な検査である.本セッションでは爆発的に増加している高齢者大動脈弁狭窄症に対する運動負荷心エコー図の現状と意義について皆様方とともに考えていきたい.