Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

一度このページでloginされますと,Springerサイト
にて英文誌のFull textを閲覧することができます.

cover

2018 - Vol.45

Vol.45 No.Supplement

特別プログラム・知を究める 領域横断
パネルディスカッション 領域横断1 Point-of-care USのプロトコルを考える

(S201)

福井県内研修医はRUSHをどこまで知っていて,どこまで使えるか?

Research for recognition of RUSH in juniour residents in Fukui prefecture

小淵 岳恒

Taketsune KOBUCHI

福井大学医学部附属病院救急部

Emergency Medicine, University of Fukui Hospital

キーワード :

【目的】
RUSH(Rapid Ultrasonography in Shock)はショック状態の患者に遭遇した際に,対超音波を用いていち早く状態を把握し迅速に治療に移ることができる有効な検査法である.しかしまだまだRUSHの認知度は低く,研修医が有効に使えているとは考えにくい.
そこで福井県内の研修医にアンケートを行い,RUSHの認知度,どこまで実施されているか,今後発展するためにはどのようにすべきかなどの検討を行った.
【方法】
福井県内で研修を行っている初期研修医にアンケートを行い,53名より回答を得た.
【結果】
RUSHを知っていると回答した研修医は28名(53%)であるものの,Pump,Tank,Pipeの3項目ともに実施できると回答したのは3名(6%)であった.RUSHを知っている研修医でも特にPumpの評価は苦手であった.苦手な理由として,RUSHを勉強会などで学ぶ機会が少なく,どのようにすると見たいものを描出できるかが分からないことが一番多かった.また異常所見を自分で描出したことがなく臨床現場で問題があった時のトラブルシューティングのやり方がわからないことなどが苦手である要因であることが分かった.
また,RUSHを知らないと回答した研修医は25人(47%)であり,医学生時代からエコーに触れる機会が少なく,RUSHそのものを知る機会がなかったが一番多い回答であった.その他の回答として,RUSHを上級医が行わないために学ぶ機会がない,研修医がエコーを触る機会が少ない,病院の特性上ショック患者を診療する機会が少ないなどの回答があった.
【考察・結論】
今後RUSHの認知度を上げるためには,勉強会の開催を定期的に行い(座学・実習を含めて1時間程度の勉強会),上級医がもっと積極的に行うことが必要である.上級医師と共にRUSHを行い,実施後すぐにフィードバックを行うことを研修医は望んでおり,学習の方法,臨床での応用などどのように効率的に研修医に教育するかが今後の課題であると思われる.