英文誌(2004-)
特別プログラム・知を究める 領域横断
シンポジウム 領域横断5 メタボリックシンドローム関連疾患のマネージメントにおける超音波検査の役割
(S197)
革新的心血管エコーシステムの有用性
Efficacy of new cardiovascular echo system
小田代 敬太
Keita ODASHIRO
九州大学大学院医学研究院病態修復内科(第一内科)
Department of Medicine and Biosystemic Science, Kyushu University
キーワード :
背景
生活習慣病の増加に伴い,冠動脈疾患,脳血管障害,末梢動脈疾患,大動脈疾患(大動脈瘤や大動脈解離),虚血性腎症などの動脈硬化性血管疾患が増加している.メタボリックシンドローム患者における,動脈硬化性血管疾患の早期診断,重症度診断の重要性が高まっている.外来診療におけるpolyvascular diseaseの重症度診断は臓器別診療体系では困難であるため,我々は革新的な心血管エコーシステム(CVES)を開発した.
方法
新規外来受診患者に対しCVESを施行した.患者背景は心血管病のリスクファクターを1つ以上有するか心血管病の術前患者(高血圧,糖尿病,喫煙,腹部大動脈瘤(AAA),PAD).CVESは心臓,頸動脈,大動脈(上行・弓部・下行・腹部),腹部分枝,腸骨・下肢動脈,腹部主要臓器(肝臓・胆嚢・膵臓・腎臓・膀胱)の簡易検査を20分以内を目標に施行する.
結果
施行時間は20分以内で可能であった.腎動脈は98%で観察可能であった.AAAは1980例中の70例(3.5%)に新規に見つかった.悪性疾患(甲状腺,膵臓,腎臓,膀胱など)も発見できた.
結論
革新的CVESは,高齢化社会におけるpolyvascular diseaseの重症度診断や治療方針確立に有用である.