Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

一度このページでloginされますと,Springerサイト
にて英文誌のFull textを閲覧することができます.

cover

2017 - Vol.44

Vol.44 No.Supplement

頭頸部超音波ハンズオンセミナー
ハンズオンセミナー1(頸部)企画 耳鼻咽喉科・頭頚部超音波ハンズオンセミナー

(S705)

超音波診断に役立つ唾液腺疾患の知識

佐藤 雄一郎

Yuichiro SATO

新潟県立がんセンター新潟病院頭頸部外科

Niigata Cancer Center Hospital

キーワード :

大唾液腺(耳下腺,顎下腺,舌下腺)のびまん性腫脹は炎症・自己免疫性疾患を考える.皮膚発赤,自発痛,圧痛は急性炎症を疑い,シェーグレン症候群は分泌腺の慢性炎症による乾燥症状を随伴する.結節性腫脹は腫瘍性疾患を考える.穿刺吸引細胞診などを併用して診断する.良性は弾性硬の多形腺腫と軟性のワルチン腫瘍が多く超音波所見は特異的である.悪性は病理型により低・中・高悪性度に分類され,それぞれ臨床経過や治癒率は異なる.超音波所見の特徴は,不整形・境界不明瞭・内部エコーの不均一・後部エコーの減弱,臨床症状は,顔面麻痺・腫瘍の皮膚浸潤・頸部リンパ節転移とされるが,中~低悪性度は良性腫瘍との鑑別が難しいことも多い.
唾液腺疾患の診断に超音波が介入することで,プライマリケアの場面では適切な治療施設の選択に,治療前検査の場面では効率的なアセスメントに繋がることが期待される.