Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.677(2017年)→0.966(2018年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2017 - Vol.44

Vol.44 No.Supplement

一般ポスター 産婦人科
婦人科疾患

(S682)

肛門部子宮内膜症の2例

Two cases of perianal endometriosis

荒木 吉朗, 加川 隆三郎, 野溝 万吏, 横田 浩美, 浦崎 晃司, 安井 寛, 友井 正弘

Yoshiro ARAKI, Ryuzaburo KAGAWA, Mari NOMIZO, Hiromi YOKOTA, Kouji URASAKI, Hiroshi YASUI, Masahiro TOMOI

1洛和会音羽病院肛門科, 2洛和会音羽病院産婦人科, 3洛和会音羽病院病理診断科, 4洛和会音羽病院PET-CT画像診断センター

1Department of Proctology, Rakuwakai Otowa Hospital, 2Department of Obstetrics and Gynecology, Rakuwakai Otowa Hospital, 3Department of Pathology, Rakuwakai Otowa Hospital, 4PET-CT Examination Center, Rakuwakai Otowa Hospital

キーワード :

【はじめに】
当院で経験した術前にUSならびにジャックナイフ位MRI検査をした後に手術を施行した肛門部(会陰部)子宮内膜症について報告する.
【症例1】
40歳の女性.31歳時と33歳時の2回の経膣分娩,会陰切開歴あり.5-6年前から会陰部の肛門右前方に月経時に痛みを伴う硬結を認めた.肛門の10時方向に直径1cmの皮下の硬結と同部の会陰切開痕を認めた.超音波検査(リニア型,9.5MHz)では同部の浅外肛門括約筋内に8×16mmの楕円形の境界明瞭,辺縁整で内部不均一な低エコーの腫瘤を認めた.ジャックナイフ位MRI検査にて浅外肛門括約筋内に4.2×11.2mmのT2強調,脂肪抑制TSEでhigh, STIRでlowな腫瘤を認めた.摘出手術を施行した.病理は子宮内膜症であった.術後2年が経過するが再発はない.
【症例2】
40歳の女性.22歳時と24歳時の2回の経膣分娩,会陰切開歴あり.1年前から会陰部の肛門右前方に月経時に疼痛や腫瘤感が増悪する腫瘤を認めた.肛門周囲の9-11時方向に直径2cmの皮下の腫瘤と同部の会陰切開痕を認めた.超音波検査(リニア型,12MHz)では同部の浅外肛門括約筋に接して39.3×19×18.3mmの不整形で境界は後方を除き明瞭,内部不均一な低エコーの腫瘤を認めた.内部に血流あり.ジャックナイフ位MRI検査にて浅外肛門括約筋,浅会陰横筋,球海綿体筋に接して23.5×11.1mmのT2強調,脂肪抑制TSE,STIRでlow,T1強調でlowの中に一部highな腫瘤を認めた.血液検査にてCA125上昇あり.摘出手術を施行した.病理は子宮内膜症であった.
【まとめ】
経膣分娩歴のある女性で月経周期に一致した肛門前方の腫瘤,痛みを認める場合は肛門部子宮内膜症を疑う必要がある.機序としては分娩時における子宮内膜の会陰切開創への機械的移植による異所性子宮内膜症と考えられた.画像診断としてはUSとMRIが痔瘻や粉瘤等との鑑別診断や肛門括約筋浸潤等の評価に有用である.